先日、「先生!私オタクの人が大好きなんです!だから先生のところに通い続けてるんです!」と言っていただけました。
どういうことかというと、そのお客様は、マニアックなことを突き詰めてる人が良いらしく、その人曰く、
「先生は背骨一本一本触りながら動かすとか、そういうオタク気質なところがあるところが良い」とのこと。
つまり、僕の場合は身体オタクということですね。
これはプロとしてかなりの褒め言葉なので、嬉しい限りです^_^
そんな身体オタクの僕は、最近は坐骨にハマっています。
何故かというと、坐骨は体幹も下肢も同時に安定させることができる、一石二鳥の場所だからです。
目次
坐骨と体幹
坐骨はお尻のほっぺと裏ももの境目にある骨で、椅子に座るとあたるので、比較的わかりやすい骨になります。
坐骨の間には、骨盤底筋と呼ばれる排泄の時に機能する筋肉があります。
この筋肉は体幹のインナーマッスルの一部で、ここが機能するだけで、その他の体幹のインナーマッスルである横隔膜・腹横筋・大腰筋が一緒に機能します。
その中でも特に骨盤底筋と関係が深いのが横隔膜です。
横隔膜は呼吸に合わせて伸びたり縮んだりを繰り返しますが、骨盤底筋もその動きに合わせて機能します。
例えば、深呼吸をした時に横隔膜は縮んで下にさがります。この時横隔膜の下にある内臓も、横隔膜の動きに合わせて下にさがり、骨盤底筋に圧をかけます。
すると骨盤底筋は、内臓が下にさがりすぎないよう伸びながら力発揮をするのです。
骨盤底筋と横隔膜はこのような繋がりがあるのです。そして、その横隔膜は肋骨の裏側で腹横筋と、背骨で大腰筋と繋がっています。
そのため、骨盤底筋が機能すると、横隔膜を介して腹横筋や大腰筋も一緒に機能するようになります。
体幹のインナーマッスルは、体幹を安定させる役割があるため、坐骨を意識できると、骨盤底筋を介して、その他の体幹のインナーマッスルも機能し、体幹を安定させることができるのです。
そして更に、坐骨には裏もものハムストリングスや、内ももの大内転筋も付着しているため、下肢の安定にも繋がります。
坐骨と下肢
太ももは、大きく分けて表・裏・内・外と四方向に筋肉が存在します。
通常であれば、これらの筋肉がバランスよく機能することで下肢が安定するのですが、
ほとんどの方が、姿勢や動きの癖など、何かしらが影響して、内や裏の筋肉が退化しています。
すると、その分の負担を表や外の筋肉が補うことになるため、その影響で筋バランスが崩れて、下肢が不安定になるのです。
これを解決してくれるのが坐骨です。
坐骨を意識してトレーニングを積めると、坐骨に付着する裏もものハムストリングスや内ももの大内転筋の機能が高まるため、下肢の筋バランスが整い、安定感が増します。
そしてさらに、体幹のインナーマッスルと裏ももと内ももは、元々筋肉の膜で繋がっているため、坐骨の意識が高まることで、その繋がりをより強固なものにすることができます。
体幹のインナーマッスルと裏ももと内ももは繋がっている
体幹のインナーマッスルと裏ももと内ももは、元々筋肉の膜で繋がっているため、相互関係にあるのですが、
そこから更に坐骨の意識が高まって、使えるようになると、体幹のインナーマッスルと裏ももと内ももの繋がりはさらに強固なものになります。
すると、体幹と下肢を安定させるだけでなく、動きの中でも一緒に使えるようになるため、安定感のある動きもできるようになるのです。
坐骨の意識を高めるワーク
坐骨の意識を高めるには、股関節/お尻のクロスポイントと、会陰を締めるワーク。
体幹と下肢の繋がりを強化するには、ワイドスクワットが効果的です。
股関節/お尻のクロスポイント
このワークでハムストリングスと大内転筋の機能を高めていきます。
- 足を腰幅に開き、つま先を前に向ける。
- 鼠径部(恥骨の横)を触りながら股関節を曲げてお尻を後ろに引く。この時、裏ももが伸びているのを感じる。
- お尻のほっぺと裏ももの境目にある坐骨を触りながら、身体を起こす。
詳細なやり方はこちらの動画でご確認ください。
※1分12秒から股関節/お尻そして更に詳しいやり方はメルマガ限定動画で。
※この動画はメルマガ登録後に送られてくるパスワードを入力すると視聴できます。会陰を締めるワーク
このワークで骨盤底筋の機能を高めていきます。
- 床、もしくは椅子に座る。
- みぞおちを丸めてリラックスした姿勢をとり、口の中で舌を上顎にあてる。
- その状態で、お尻の穴の指1本前にある会陰(えいん)と呼ばれるツボを意識して、そこをみぞおちの奥に向けて締めるように力を入れる。
- みぞおちから会陰に向けて力を抜く。
- これを10回繰り返す。
詳細なやり方はこちらの動画でご確認ください。
ワイドスクワット
坐骨を意識して、ハムストリングスと大内転筋、骨盤底筋を繋げて使い、体幹と下肢の繋がりを強化していきます。
- 足を肩幅の1.5倍くらいに広げて、つま先を斜め外に向ける。
- 股関節を曲げてお尻を下にさげる。この時、坐骨の間が開くのを感じる。
- 膝が90°くらいになるまで下がったら、坐骨の間を閉じるように立ち上がる。
- これを10回繰り返す。
最後に
このように、坐骨の意識を高めることができると、止まってても動いてても体幹から下肢の筋肉を繋げて使えるようになるため、日常生活だけでなく、スポーツのパフォーマンスアップにも繋がります。
皆さんも、ご紹介したワークをおこない、僕と同じ身体オタクになりましょうー!笑