皆さんはバランス能力の向上には何が必要だと思いますか?
いくつかの要素が考えられますが、その中の一つがインナーマッスルが働くことです。
インナーマッスルは姿勢を保持する機能があり、特に体幹にある大腰筋・横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群・多裂筋は姿勢を保持する上で重要な筋肉です。
これらの筋肉は全て繋がりがあるため、どこか一つの筋肉が働けばその他のインナーマッスルも働くんですが、逆を言えば、どこか一つでも機能が低下すれば、他のインナーマッスルの機能も低下してしまいます。
この全てのインナーマッスルの機能低下を引き起こす可能性があるのが、今回のテーマの筋肉である内閉鎖筋です。
目次
内閉鎖筋の基礎解剖学
大殿筋の奥には深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)と呼ばれる6つの筋肉があり、その中の1つが内閉鎖筋です。
起始停止
起始停止とは筋肉が付着している場所のことを言います。
内閉鎖筋で言えば、起始は閉鎖孔(へいさこう)周り、停止は大転子の内側面に付着しています。
主な働き
主な働きは、股関節の外旋です。
内閉鎖筋と体幹のインナーマッスルとの関係
内閉鎖筋と繋がりがあるのは骨盤底筋群です。
骨盤底筋群の一部である腸骨尾骨筋は、内閉鎖筋の筋膜に付着しています。そのため、内閉鎖筋が緊張、もしくは機能低下すると、骨盤底筋群から体幹のインナーマッスル全てがその影響を受けてしまいます。
不良姿勢が内閉鎖筋に影響を与える
猫背や反り腰などの不良姿勢になると、内閉鎖筋は緊張、もしくは機能低下してしまいます。
猫背と内閉鎖筋の関係
猫背になると脚はガニ股になりやすくなります。
内閉鎖筋は股関節の外旋時に緊張する筋肉なので、ガニ股になると内閉鎖筋は常に緊張状態になり、その緊張が体幹のインナーマッスルに伝わり、体幹のインナーマッスルはガチガチに固まってしまいます。
反り腰と内閉鎖筋の関係
反り腰になると、猫背とは逆に内股になりやすくなります。
内股になると内閉鎖筋は緩んで伸びっぱなしになるため、その緩さが体幹のインナーマッスルに伝わり、体幹のインナーマッスルの機能は低下してしまいます。
内閉鎖筋の機能を高めるには?
股関節を外旋させるトレーニングをおこなえば内閉鎖筋の機能は向上しますが、内閉鎖筋単体で動かしても、他の筋肉との繋がりを意識して動かさなければ、普段使いすることはできません。
そのため、内閉鎖筋を繋がりのある筋肉と一緒に動かして機能を高めていきます。
内閉鎖筋と繋がりがあるのは、体幹のインナーマッスル。そして内ももの大内転筋です。
筋膜で有名なアナトミートレインでは、これらの筋肉には繋がりがあると言われています。
内閉鎖筋の機能を高めるワーク
クロスポイント
「クロスポイント」にある股関節/お尻・みぞおち/背中・頭と骨盤底筋をおこないます。
- 股関節/お尻のクロスポイントで大内転筋と大腰筋を機能させます。
- みぞおち/背中のクロスポイントで大腰筋と横隔膜を機能させます。
- 頭と骨盤底筋のクロスポイントで骨盤底筋群・腹横筋・横隔膜を機能させます。
股関節/お尻のクロスポイント(内閉鎖筋の機能を高めるver)
- 股関節外旋を強調するために、足裏を巻き込み外体重になる(これで内閉鎖筋が使われる)
- 股関節のクロスポイントを触りながらお尻を引く
- お尻のクロスポイントを触りながら立ち上がる(2、3で大腰筋と大内転筋が使われる)
- これを10回おこなう
まとめ
- 内閉鎖筋の機能が低下すると体幹のインナーマッスルの機能も低下する。
- 内閉鎖筋は骨盤底筋群と繋がりがある。
- 猫背や反り腰などの不良姿勢になると内閉鎖筋の機能が低下する。
- 内閉鎖金の機能を高めるには、内閉鎖筋単体でトレーニングするのではなく、繋がりのある体幹のインナーマッスルと大内転筋も一緒に使ってトレーニングをおこなう。
最後に
内閉鎖筋はあまりメジャーな筋肉ではありませんが、とても重要な役割がある筋肉です。
今回ご紹介したワーク以外でも必要になってくる筋肉なので、ぜひ覚えておいていただければと思います。