「筋肉が固いという事は、筋肉があるという事じゃないんですか?」
これはよく聞かれる質問で、一昨日のサッカー少年のお母さんにも聞かれましたし、普段のセッション中もちょくちょく聞かれます。
まぁこの気持ちはよくわかります。
私も昔はそう思ってましたから。
だから、筋肉カチカチになった時は誇らしく思ったものです。笑
でも固さと筋肉があるかどうかは全くの別物。
むしろ無くても柔らかければ、固くてある人よりパフォーマンスが高いことがあります。
筋肉がある=筋肉が固い
ではない。
筋肉があっても柔らかい人はいるし、
筋肉がなくても固い人はいるのだ。だから、筋肉が固くなってる事を筋肉がついたとか、パフォーマンスが上がったなんて思わないでほしい。
むしろ筋肉がなくても柔らかい人の方がパフォーマンスは高かったりする。
— 柴 雅仁@関節痛のセルフケア&スポーツマンの動きを変えるパーソナルトレーナー (@PT_shiba) January 12, 2019
質と量
筋肉が固いというのは質の話です。大きく分ければ固い・柔らかいがあります。
そして、筋肉があるかどうかは量の話です。大きく分ければ多いか少ないかになります。
このように質と量は全くの別物になるので、筋肉量が多くても柔らか人はいますし、筋肉量が少なくても固い人は沢山いるのです。
例えば、SNSでちょくちょく話題にさせてもらっている、メジャーリーガーのダルビッシュ投手は、かなりの筋肉量があります。ですが、この動画のように物凄く柔らかいです。
筋トレ肯定派のアスリートで有名なダルビッシュ選手。
筋トレは基本筋肉を固めてしまうから、固めるだけになるとパフォーマンスが下がるが、
ご覧の通りダルビッシュ選手はすごく柔らかい。
筋トレでパフォーマンスをあげる人は、筋トレしても柔らかさを維持・向上できるのが違うところだね! pic.twitter.com/XlF053ml4k
— 柴 雅仁@関節痛のセルフケア&スポーツマンの動きを変えるパーソナルトレーナー (@PT_shiba) January 10, 2019
そして真逆の筋肉量が少なくて固い人とは、一般的には高齢者はそのパターンの方が多いです。
そのため、転倒したりケガも多くなります。
このように「筋肉が固い=筋肉がある」にならないのです。
筋肉は柔らかい方が良い
筋肉の量に関しては、その取り組んでるスポーツによるので、多い方が絶対良い!とか少ないのはダメ!とかはありません。
ですが、どの競技でも共通して言えるのは柔らかい方が確実に良いということです。
筋肉の動きは2つしかない
筋肉は脳で支配されてます。そして、脳からの指令で筋肉は動くのですが、この動きは筋肉が縮むのか、縮まない(緩む)のかの二択しかありません。
そのため、全身で約600あると言われている筋肉をその動作に合わせて、1つ1つを縮ませたり、縮ませなかったりして身体を動かしていきます。
例えば、歩きで言えば、足を前に出す時に股関節の前にある大腰筋が縮むことで足を上にあげます。
この時、反対側にある裏もものハムストリングスは縮まない、つまりゆるんだままでいるので、足を上げた時に伸びていきます。
そして足を下ろすタイミングで大腰筋が縮むのをやめて、反対側にあるゆるんでいたハムストリングスが縮むことで足をおろし、地面を攘(はら)い前に進みます。
これを繰り返すことでスムーズな足の運びができるのです。
ちなみに走りで言うと、この切り替えが瞬時にできて、尚且つ縮む・縮まない(緩む)の振り幅が大きい人が、足の速い人です。
このような筋肉の操作が、身体を動かすたび全身でおこなわれ、これが精密にできればできるほど動ける、すなわち運動神経が良い人になるわけです。
そしてこの筋肉操作が精密にでき、パフォーマンスが高い人は筋肉がとても柔らかい人です。
筋肉が柔らかい人ほど筋肉操作がうまくでき、パフォーマンスが高い
スポーツをしている。もしくはしていた人なら経験があるかもしれませんが、試合とかで緊張する場面て必ずありますよね?
私はサッカーをやっていたので、PKになった時はかなり緊張しましたし、運動会のアンカーで走った時も緊張しました。
そして、このように緊張している時って、身体が思うように動かなくてパフォーマンスが下がってしまうことがあります。
私の場合、この緊張した場面でPKを外しましたし、アンカーで走った運動会もゴール手前で抜かされました。
なぜこのような事が起きてしまうのかというと、それは緊張すると必要以上に筋肉が縮んでしまうからです。
筋肉は縮んでいない(緩んでいる)からこそ、力発揮をするときに、筋肉を縮める事ができます。
ですが、例にあげた緊張などで動く前から筋肉が縮んでいる状態だと、いざ力発揮をする場面で、そこから更に縮ませることはできないので、一旦力を抜いて縮ませない状況を作ってから、筋肉に力を入れて縮ませて力発揮をしなければなりません。
これって無駄な動きですよね?最初から縮んでいない緩んだ状態でいれば即動けるのに、一旦力を抜く事をしてから再度縮ませる事をすると、ワンテンポもツーテンポも動きが遅くなります。
そのため筋肉は柔らかく緩んでいる。つまり縮んでいない状態を、より精密に作れている人ほど、パフォーマンスが高くなるのです。
では一体どの様にしたら、その様な状態を作る事ができるのでしょうか?
柔らかい筋肉を作るには?
緊張の解決方法に関しては、そのスポーツの練習や試合などの場数を踏み自信をつけること。
そしてどんな緊張しやすい場面でも、極限まで集中力を高める事ができれば緊張しながらも冷静でいられるため、集中力を高める練習をするのも1つの方法です。
そしてもう1つ筋肉を固めてしまうのが、筋トレのやり過ぎや不摂生。
筋トレで固める事ばかりをやり過ぎて、緩めることや力を抜くこと、インナーマッスルとアウターマッスルのバランスを取ることなどを疎かにしている。
タバコ、お酒の飲み過ぎ、コンビニ食などなど細胞を老化させることばかりをする。
これらは筋肉をどんどん固めていくので、緊張する場面じゃなくても、常に筋肉が固い状態になってしまいます。
これを解決する方法は、筋トレのやりすぎに関しては、筋肉をほぐしで緩めつつ
インナーマッスルとアウターマッスルのバランスを整えるために、インナーマッスルの働きをクロスポイントワークで高める事が必要です。※バランスが崩れている時はインナーマッスル劣位/アウターマッスル優位になっているため
そして細胞を老化させない様にするには、先ほどあげた老化させる要素となるものを全てやめる事ですね。
これらをきちんと実行する事ができると、柔らかい筋肉を作る事ができます。
まとめ
筋肉を柔らかくするのは結構難しかったりします。そのためご紹介したものを、根気よくコツコツと取り組む必要があるのです。
でも全てをいっぺんにやる事は難しいと思うので、まず1つ!できそうな事から取り組んでみてください。
【本日の記事のまとめ】
- 筋肉が固いのは質の話で、筋肉があるのは量の話。そのためこの2つは別物なので「筋肉が固い=筋肉がある」にならない。
- どの競技でも共通して言えるのは筋肉は柔らかい方が良いということ。
- 筋肉が柔らかい人ほど筋肉操作が精密にできるためパフォーマンス高い。
- 柔らかい筋肉を作るには、緊張しにくい状況を作る。筋肉を緩めつつインナーマッスルとアウターマッスルのバランスを整える。老化させる要素となるものを全てやめる。事が必要。