猫背が多いと言われている日本人。ネットで調べると「日本人の9割は猫背」みたいな記事があります。
9割はさすがに言いすぎな気もしますが、猫背の方はよく見かけるので、多いいのは間違いなさそうです。
目次
何故日本人に猫背が多いと言われるのか?
PCやスマホの普及で丸まった姿勢でいることが多くなってはいますが、それは日本だけではありません。PCやスマホは世界中に普及しています。
では何故日本人は猫背が多いと言われているのか。通説がいくつかあるので、それをピックアップしてみました。
- 狩猟民族だった欧米人に比べ、日本人は農耕民族で、腰を曲げている時間が多かったから。
- イス文化の欧米人に比べ、日本人は地べたに座ることが多かったから。
- 低姿勢の控えめな国民性が姿勢に現れてる。
などです。どれも本当か嘘かはわかりませんが、遺伝子レベルで日本人の文化が受け継がれて、姿勢を作っている可能性はあるかもしれませんね。
猫背の特徴
人により猫背の形は多少異なりますが、基本的には
- 肋骨が内側に閉じる
- 背骨が丸々
- 骨盤も丸々
- 膝が前に出る
と、このような形になります。
このようなゆがみ方になると様々な筋肉が固まりますが、その中でも特に猫背と関係が深いのがお腹です。
お腹の固さと猫背
猫背の方はお腹、すなわち腹筋が縮こまった状態で固まっています。腹筋の中でも特に猫背を作り出すのは腹直筋(ふくちょくきん)と呼ばれる、男性が好んで鍛える割れる腹筋です。
腹直筋は肋骨から骨盤に付着しているため、縮こまったまま固まると肋骨を内側に閉じます。その結果、背骨と骨盤は丸まり、膝も前に飛び出します。腹直筋が固まるだけで猫背の特徴にあげた4項目が全ておこってしまうんです。
そのため、猫背を改善するには腹直筋をゆるめることは必須。ただそれだけだと、身体の使い方は変わっていないので、すぐに元に戻ります。
元に戻さないためには腹直筋の機能を抑制して、代わりに体幹を支えてくれる筋肉が必要です。その筋肉とは体幹のインナーマッスルです。
姿勢を正すにはアウターマッスルとインナーマッスルのバランスが重要
筋肉を大きく分けるとアウターマッスルとインナーマッスルに分類されます。
アウターマッスルは表面にある分触りやすく、意識もしやすいです。そして大きく強い力を発揮します。
それに対して身体の中にあるインナーマッスルは、触れないうえに存在の認識もしづらい筋肉なので、意識もしづらいです。インナーマッスルの特徴は関節を安定させ、滑らかな動きを作り出します。
通常であれば、この2種類の筋肉が協調して姿勢を作り、身体を動かすのですが、意識しづらいインナーマッスルは機能低下しやすいです。
機能低下してしまったインナーマッスルは動きが少なくなり固まります。その結果関節を安定させる事ができなくなるため、その分の仕事をアウターマッスルが補う形になり、アウターマッスルは使いすぎにより固まります。
つまりアウターマッスルとインナーマッスルのバランスが崩れると全身ガチガチに固まった状態になってしまうということです。
猫背の方はこの状態になっているため、インナーマッスルを活性化させ、アウターマッスルを抑制する必要があるんです。
猫背改善のセルフケアワーク
腹筋をゆるめる呼吸
呼吸法でアウターマッスルの腹筋をゆるめます。座位や立位でもできますが、仰向けで寝転がった方が力が抜けてやりやすいです。
- へそから指4本上とその周辺を押して、固さや痛さがないか確認する。
- 固い所、痛い所があったらそこを膨らますように呼吸を5〜10回おこなう。
- 再度押して、固さや痛さに変化が出たか確認する。
- 時間があればお腹全体を満遍なく押してみて、固い所や痛い所があれば、そこを呼吸でゆるめる。
体幹のクロスポイント
クロスポイントはインナーマッスルを活性化させるツボみたいなもの。その中でも体幹のクロスポイントにあるみぞおち/背中・股関節/お尻をおこないます。
この2種類のクロスポイントは体幹部だと横隔膜(おうかくまく)や大腰筋(だいようきん)、下肢だとハムストリングスや大内転筋の機能を高めます。この4つの筋肉の効果は以下の通り。
- 横隔膜・・・肋骨や背骨を柔らかくし、背骨の位置を正すことができます。
- 大腰筋・・・骨盤の位置を正すことができます。
- ハムストリングスと大内転筋・・・膝の位置を正すことができます。
※参考書籍:人体のスイッチ
キャットツイストとブリッジ
この2つのストレッチで、丸まった背骨と骨盤を起こしていきます。
ブリッジは2種類ありますが、最初は壁ブリッジ、慣れてきたら通常のブリッジに挑戦してみてください。詳細は下記の記事をご確認ください。
最後に
猫背は見た目の悪さはもちろんのこと、
- 首こり、肩こり
- 頭痛
- 腰痛、膝の痛み
- うつ状態
- 胃腸の不調
など影響は多岐に渡ります。そのため早め早めの対処が必要です。
今回ご紹介したワークは、隙間時間にもできる種目がいくつかあるので、合間を見つけて小まめに実践していってください。