普段よく感じるものだと、切り傷や打撲。関節痛をお持ちの方は関節の痛み。刺すような痛みから疼くような痛み。すぐ治る痛みから、長期間続く痛み。など様々な「痛み」があります。
「痛み」は不快なものなので悩んでいる方も多いと思いますが、まずそもそも「痛み」についてよく知らない。
「痛み」ってなに?みたいな。
こんな人結構多いと思います。そこで今回は「痛み」の基礎についてお話します。ただ今回はちょっとだけ難しいかもしれません。ちょくちょく専門用語が出てくるので。(一応わかりやすく書いたつもりですが)なので、少しだけ集中して読んでください。
なぜ痛むのか?
「痛み」は一種の防衛反応です。「痛み」があるから身体の異変に気付き、対処することができます。
もし「痛い」という感覚がなかったら、危険を察知したり、回避することができず、ケガや病気を繰り返したり、命の危険につながることもあります。
「痛み」は不快なので、「無ければいいのに!」なんて思うかもしれませんが身体にとっては必要なものなんです。
痛みを感じる仕組み
体には痛みを感じる2種類のセンサーがついています。高閾値機械受容器(こういきちきかいじゅようき)とポリモーダル受容器です。
- 高閾値機械受容器とは、一次痛とも呼ばれ、刺すような鋭い痛みを出します。
- ポリモーダル受容器とは、二次痛とも呼ばれ、鈍く疼くような痛みを出します。
一次痛は一過性の痛みで、例えば、転んで膝を打った瞬間、最初に感じる鋭い痛みは一次痛で、その後に感じるズキズキした痛みは二次痛です。
切り傷や打撲などの刺激を受けるとセンサーが反応し、傷ついたという情報を脳に伝えます。脳がその情報を認識して初めて「痛い」と感じるのです。
通常は、痛みの原因となったケガが治ると、痛みも消えていきます。
痛みの種類
「痛み」は原因によって大きく3種類に分類されます。侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・心因性疼痛です。
侵害受容性疼痛
ケガや炎症を起こした時の痛みです。「痛みを感じる仕組み」でお話したセンサーを侵害受容器と呼び、ここが刺激を受けることで痛みが発生するため侵害受容性疼痛と呼ばれています。
神経障害性疼痛
「なぜ痛むのか?」の補足説明でお話した通り、何らかの原因により神経が障害され、それによって起こる痛みのことを言います。傷や炎症などはありません。
心因性疼痛
仕事・人間関係・お金など、ストレスによって起こる痛みのこと言います。神経障害性疼痛と同様、傷や炎症はありません。
痛みの期間
これは2種類。急性疼痛と慢性疼痛です。
急性疼痛
打撲や捻挫のように外力が原因で起こる痛みのことを言います。
慢性疼痛
3か月以上の持続または再発、急性組織損傷の回復後1か月以上経過しても持続する痛みのことを言います。
慢性疼痛になるまで
慢性疼痛はこのループにはまるとなってしまいます。
ケガや炎症など、何かしらの刺激が入り痛みが生じると、その周辺の筋肉が緊張する。
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筋肉が緊張すると、血管が収縮し血流が悪くなり、局所的な酸欠が起きる。
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酸欠を起こすと組織に酸素が届かなくなるので、血管を拡張させて、なんとか血流量を保とうする。その血管を拡張させる物質が痛みを出す物質でもあり、これにより再度痛みが発生する。
↓
そして、また痛みにより筋緊張をおこし、酸欠になり、血流量を保つために血管を拡張させ、痛みが発生する・・・
慢性痛でも初期段階であれば、治療により筋緊張を取り除くことで解消される可能性が高いです。
ですが初期を超えて半年前後たった慢性痛の場合、緊張させる事が癖になってしまい、筋緊張を取り除いても癖を取り除いてなければまた痛み出してしまいます。なので筋緊張と緊張させる癖の両方を取り除く治療が必要となります。
最後に
いかがでしょうか?今回は少し難しかったので、なかなか理解できない方も多いと思います。
ですが、「痛み」の仕組みを知らないで悩むのと、知ってて悩むのとでは気持ち部分で大きな差が生まれます。「何で痛いの⁈」と思ってる人と、「あー。だから痛いのか。」と思ってる人とでは痛みに対する恐怖心が全然違いますからね。恐怖心が少ない人の方がやっぱり治りが早いです。
完璧に理解できなくても、何となく理解できればそれで十分なので、まだイマイチよくわからない方は再度読み返してみてください。