「最近イライラすることが多くて、肩がこってる。」
「今日は緊張して肩がこったなー。」
こんな経験ありませんか?
〝心と体は繋がっている〟なんてよく言いますが、緊張と肩こりはその典型です。
では実際どの様に繋がっていて、どんな風に対処したら良いのか。
本日は緊張と肩こりの関係と、その対処法についてお話します。
目次
緊張すると吸気筋が固まる
まずイライラしたり、緊張したりすると自律神経の交感神経が優位に働きます。
皆さんも経験があると思いますが、緊張すると心臓がバクバクしたり、汗が出たりしますよね。それは交感神経が働いてる証拠です。
そして交感神経が優位に働くと呼吸にも影響が出ます。呼吸が荒くなったり、息が止まりそうになったり。様々な反応が出てきます。
なぜこの様な反応が出るのかというと、交感神経が優位になると息を吸う、吸気の方を頻繁におこなう様になるからです。
呼吸は吸気と呼気(息を吐く)のバランスが重要です。ですが、緊張すると吸気がメインになり呼気が疎かになるため、リズムが狂って呼吸が荒くなり、場合によって息が止まるような感覚に襲われます。
この様な状態になると、吸気をする時に使われる筋肉も異常に使われることになり、ガチガチに固まってしまいます。
吸気の時に使われる筋肉は外肋間筋・横隔膜・胸鎖乳突筋・斜角筋群です。これらの筋肉、特に胸鎖乳突筋や斜角筋群が固まると、肩をすくめるため肩こりを引き起こします。
さらに、交感神経は肩近くにある背骨から出ているため、交換神経が優位になると、交感神経が出ている周辺の筋肉も固まってしまい、そこから肩こりを引き起こします。
内臓の交感神経は肩付近の背骨から出ている
先程もお話しましたが、緊張で交感神経が優位になると、心臓はバクバクして、呼吸も荒くなります。
この様な反応が出るということは、交感神経の影響で心臓や肺が活発に活動しているということです。
心臓の交感神経は胸椎の1番〜4番。肺の交感神経は胸椎1〜2番から5〜6番から出ています。
そのため、交感神経が優位になると、胸椎1番〜6番を介して、そこに付着する筋肉にも影響を与え、肩こりを引き起こします。
緊張による肩こりを解消するには?
緊張による肩こりを解消するには
- 吸気筋と背中の筋肉をゆるめる
- 副交感神経優位にする呼吸を練習する
- 緊張する場面で呼気を意識する
の3つが必要です。
ワークを交えながら1つずつ解説していきますので、お悩みの方はぜひ試してみてください。
吸気筋と背中の筋肉をゆるめる
吸気筋と胸椎1番〜6番にある筋肉をまとめてゆるめる方法があります。
それはみぞおちをゆるめることです。
みぞおちの奥には吸気筋の横隔膜があります。そして表面上にある腹直筋は吸気筋の胸鎖乳突筋、外腹斜筋は胸椎1番〜5番まで付着する菱形筋と繋がりがあります。
さらに菱形筋は胸椎1番〜6番に付着するその他の筋肉と繋がりがあるため、みぞおちをゆるめるだけで緊張で固まる筋肉を全てゆるめることができます。
みぞおちの中から表面上にある筋肉をまとめてゆるめるには、みぞおちを膨らます呼吸が効果的です。
- 座ったまま、へそから指4本上のみぞおちと、反対側の背中を触る。
- 息を吸ってみぞおちと背中を膨らまし、吐いて元に戻す。
- これを10回繰り返す。
副交感神経優位にする呼吸を練習する
副交感神経を優位にするには腹式呼吸が有効です。
さらに呼気を長めにしながらおこなうと、より副交感神経が優位になりやすくなるので、呼気を意識しながら腹式呼吸をおこなっていきましょう。
- 仰向けに寝転がり、膝を立て、へそから指4本下の部分(下腹部)を触る。
- 鼻で吸って下腹部を膨らます。
- 口で吸気よりも長く吐いて、下腹部を元に戻す。
- これを10回繰り返す。
緊張する場面で呼気を意識する
誰しも緊張する場面があると思います。
そんな時、一度自分の呼吸のリズムに目を向けてみてください。
呼気が短くなっているのがわかると思います。
それがわかったら、息を長めに吐く様に意識してみましょう。
呼気が長めになれば吸気もうまくいくため、酸素を目一杯取り込める様になります。
すると、頭の働きが良くなるため、冷静になり、落ち着くことができます。
まとめ
- 交感神経が優位になると、吸気筋が異常に働いてしまい、肩こりにつながる。
- 心臓と肺の交感神経は胸椎1番〜6番から出ているため、心臓と肺の機能が活発になりすぎると、胸椎1番〜6番を介して、そこに付着する筋肉にも影響を与え、肩こりを引き起こす。
- 緊張による肩こりを解消するには①吸気筋と背中の筋肉をゆるめる②副交感神経優位にする呼吸を練習する③緊張する場面で呼気を意識する。の3つが必要。