ギックリ腰を予防するために必要な身体の使い方

ギックリ腰をはじめ、ふとした瞬間に腰を痛めてしまう方が多くいらっしゃいます。一回で終わればまだ良いのですが、これを何度も繰り返してしまうとやっかいですよね。

毎日毎日「腰を痛めないだろうか…」という不安を抱えながら生活するのはかなりのストレスです。こういった急性の腰痛はなぜ起きてしまうのか?どうやったら何度も繰り返してしまう負のループから抜け出せるのか?

今回はギックリ腰をはじめとする急性腰痛の予防方法についてお話します。

急性腰痛の原因

重い物を持った時。身体をひねった時。遠くにあるものを取ろうとした時。など様々なパターンで急性腰痛になることがありますが、どのパターンも原因は一緒。腰回りの筋肉がガチガチに固まっているからです。

筋肉が固まる

数で言えばいくつも存在しますが、今回はピックアップしてお話します。固まりやすい筋肉は大殿筋(だいでんきん)、広背筋(こうはいきん)、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)です。

まず大殿筋と反対側の広背筋は筋肉の膜で繋がっているため、連動して使われます。

試しにうつ伏せに寝転がりお尻をさすって、その後に足を上げてみてください。お尻から反対側の背中にかけて力が入ると思います。

次に裏ももをさすって、その後に足を上げてください。お尻をさすった時よりも足が上げやすくなり、腰に力が入らなくなったと思います。

これからもわかるように、お尻と腰から背中の筋肉は連動するため、立ち姿勢が悪かったり、デスクワークや車の運転でお尻を圧迫していると、大殿筋から反対側の広背筋や脊柱起立筋が固まってしまいます。

なぜ筋肉が固まってしまうのか?

それはインナーマッスルとアウターマッスルのバランスが崩れているからです。

筋肉には骨の近いところ、身体の深部に存在するインナーマッスルと表面上に存在するアウターマッスルがあります。特徴として、インナーマッスルは持久力に富み、姿勢を保持したり、関節を安定させ滑らかな動きを作る機能をもっています。そして、アウターマッスルは力に富んでいるため、歩くや走る、物を持つなど大きな力を発揮するときに機能します。腰を痛めることなく、しなやかに動かすにはこのインナーマッスルとアウターマッスルのバランスが重要です。

通常であればインナーマッスルとアウターマッスルは協調して機能します。例えば、スーパーにある10㎏のお米を持つ時。下に置いてあれば中腰になって両手で持ちますよね。その時腕や肩、体幹など全身のインナーマッスルが機能して、腰を痛めないように安定させます。そして、全身のアウターマッスルを機能させることで強い力を発揮して10㎏のお米が持てるわけです。

ですが、この2種類の筋肉のバランスが悪くなっている人が多くいます。アウターマッスルが優位に働いて、インナーマッスルが機能しない人です。この状態になっている人は、インナーマッスルは止まった状態で固まっています。そのため関節を安定させ滑らかな動きを作ることができなくなっているので、代わりにアウターマッスルがその仕事を補わなければなりません。

仕事で言えば、同僚が退職してしまい、その代わりになる人が入ってこないため、自分が元同僚の仕事も補うことになり、結果2倍の仕事をしなければならない状態です。こんな状態が長期間続いたら…疲労困憊になり身体を壊してしまいますよね?

アウターマッスルにはこれと同じ状況が起こってるわけです。インナーマッスルが機能しないため、その仕事を補わなければならないアウターマッスルの仕事量はいつもの2倍になってます。こんな状態を続けているとアウターマッスルは疲労してしまいガチガチに固まってしまいます。その状態で10㎏のお米を持ったとしたら…腰を痛めますよね。これが急性腰痛のメカニズムです。

このように身体を痛めないようにするには、インナーマッスルとアウターマッスルが常にニュートラルな関係でなければなりません。

急性腰痛を予防するためのワーク

背骨をゆるめる

背骨の中でも特に固まりやすいのが、腰骨のラインの背骨・みぞおち(へその指4本上)の反対側の背骨・胸の真ん中の反対側(肩甲骨の下のライン)の背骨・首の根元の出っ張ってる背骨です。

この4ヶ所を動かすことで、脊柱起立筋や広背筋といった固まりやすい筋肉をゆるめることができます。

ワークの方法は、4ヶ所の背骨を触りながら、そこを前後・左右・回旋と動かしていきます。力まないようにリラックスしながらおこなっていきましょう。

胸の真ん中の反対側(肩甲骨の下のライン)に手が届かない場合は、胸の真ん中を触り、反対側の背骨を意識しながら動かしていきましょう。

体幹のクロスポイント

インナーマッスルとアウターマッスルの関係をニュートラルにするために、腰痛に特に関係する体幹のクロスポインを刺激します。詳細は下記の記事をご確認ください。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

2018.02.24

割膝

「筋肉が固まる」に書いた通り、裏ももの筋肉であるハムストリングスの機能を高めることによって、腰の負担を軽減することができます。この種目でハムストリングスと体幹のインナーマッスルと関係の深い内転筋の機能を高めていきます。

  1. 足を前後に開き、後ろ足のつま先は斜め外に向ける。
  2. 前足の股関節を引き、身体を真っ直ぐにする。
  3. その状態でみぞおちを丸めて、身体を前に倒し、前足の裏ももと内ももを叩く。

ワイドで裏・内もも叩き

割膝は前後ですが、今度は左右横の動きの時に裏ももと内ももが機能するように刺激をいれていきます。

  1. 足を肩幅の2倍に広げる。
  2. 膝が内側に入らないように気をつけながら、股関節を引いてお尻を下に落とす。
  3. その状態で裏もも、内ももを叩く。

最後に

防ぎようのない急性腰痛もありますが、多くの場合は柔らかい筋肉を持っていれば防げます。二度と同じことを繰り返さないように、今のうちから、これらのワークを続けて予防をしてください。

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解剖学図の引用元
VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス