しゃがめない原因は大人も子供も同じ【柔らかくするべき4つの関節】

体勢

しゃがめない大人はよく見かけますが、最近はしゃがめない子どもも増えてきているみたいです。

一体なぜしゃがめないのか?

その理由の一つとして考えられるのは柔軟性です。特にインターネットで調べると、しゃがめない理由としてあがるのは、ほぼ100%「足首の固さ」

『しゃがめない 原因』で検索すると、

  • 足首が固い
  • 腓腹筋やヒラメ筋が固い(ふくらはぎの筋肉)

といった内容の記事がずらりと並びます。

確かに足首が固いとしゃがめません。深く曲げることができず、踵を浮かさないとしゃがめないと思います。ですが原因は足首だけではなく、他の関節にもあります。

本記事では足首以外にもしゃがめない原因となる関節や、動きの制限をかけてしまう筋肉。そしてしゃがめるようにするための方法についてお話します。

しゃがめない大人はもちろんのこと、これはしゃがめない子どもにも当てはまることなので、しゃがめないお子さんをお待ちの親御さんも是非最後まで読み進めてください。

しゃがめない原因を作る関節の動き

しゃがむ動きは複数の関節が関与します。その中でも特に重要なのが足首・膝・股関節・背骨です。

しゃがめない方はこれらの関節がガチガチに固まっているため、深くしゃがむことができません。

ではこれらの関節が固まるとどのような影響をあたえるのか。

足首

しゃがむ時に足首は大きく曲がりますが、ふくらはぎが固まると足首を曲げられる範囲が狭くなります。

そして逆側にあるスネの筋肉が固まると、関節に詰まりをおこし深く曲げられなくなります。

つまり足首の表も裏も固まると足首が深く曲がらなくなるということです。

膝を柔らかく使うことができないと、膝に力が入ってしまいます。すると、膝が前に突っ込んで重心が前方に移動するため、踵を浮かさないとしゃがめなくなります。

そして、膝に力が入ると、内側にも入りやすくなるため、その結果股関節や足首の動きも悪くなりしゃがめなくなります。

股関節

しゃがむには股関節を深く曲げるなければなりません。ですが、固さがあると股関節の付け根に詰まりを起こし、深く曲げることができなくなります。

背骨

しゃがむときに背骨を丸めなければいけません。ですが、固まるとそれができず、真っ直ぐのまましゃがもうとするので、お尻が後ろに突き出たり、無理やり丸めようとして力が入り過ぎてしゃがめなくなります。

しゃがめない原因を作る筋肉とその繋がり

しゃがめない原因を作る関節を分けて書きましたが、これらの関節の動きを悪くする筋肉は全て繋がっています。

1つ目の繋がり

まず1つ目の繋がりが身体の前面。お腹の腹直筋、もも表の大腿四頭筋、スネの前脛骨筋です。

これらの筋肉が優位に機能すると以下のような動きが起きます。

  • 腹直筋:体幹が固まり、背骨を柔らかく丸められなくなる。
  • 大腿四頭筋:膝は前に突っ込み踵が浮く。
  • 前脛骨筋:つま先が上がり、尻餅をつく。もしくは足首が詰まるため、踵を浮かせてつま先立ちになる。

2つ目の繋がり

そしてもう1つの繋がりが身体の後面。背中の広背筋お尻の大殿筋・中殿筋ももの外側の大腿筋膜張筋/腸脛靭帯です。

これらの筋肉が優位に機能すると以下のような動きが起きます。

  • 広背筋:体幹が固まり、背骨を柔らかく丸められなくなる。
  • 大殿筋・中殿筋:股関節の外に詰まりをおこし膝が内側に入る。
  • 大腿筋膜張筋/腸脛靭帯:大殿筋・中殿筋同様、股関節の外に詰まりをおこし膝が内側に入る。

しゃがめるようにするために機能させたい筋肉

機能させたい筋肉とはインナーマッスルとインナーマッスルと関係の深いアウターマッスルです。

具体的に言うと

  • 足首:後脛骨筋、長腓骨筋
  • 膝:膝窩筋
  • 股関節:大腰筋、ハムストリングス、内転筋群
  • 背骨:大腰筋、横隔膜

などの筋肉です。

筋肉には表や裏、内や外、インナーとアウターなど表裏関係があり、このバランスが重要になります。

例えば、しゃがむ時に膝が中に入ってしまう人は大殿筋や中殿筋、大腿筋膜張筋/腸脛靭帯など外側の筋肉が優位に働きすぎることで股関節の外側に詰まりを起こします。

この状態の人は逆にある内転筋群の機能が落ちているため、関節を滑らかに動かすことができません。これを改善するには外側の筋肉をゆるめて、内転筋群の機能を高める必要があります。

このようにしゃがめない原因となる筋肉をゆるめる、しゃがめるようにするために必要な筋肉の機能を高める事により、しゃがめるようになります。

しゃがめるようにするためのワーク

しゃがめない原因の筋肉をゆるめる

腹直筋をゆるめる

  1. 仰向けに寝転がり、膝を立てる。
  2. へそから指4本上のみぞおちとその周辺を押して、痛みや固さがないか確かめる。
  3. 確認できたら、息を吸ってみぞおちと反対側の背中を膨らまし、吐いて元に戻す。
  4. これを10回繰り返す。
  5. 終わったら最初に押した部位を再度押してみて、痛みや固さに変化が出たから確認する。
  6. 緩和されてれば終了。まだ残っていたら再度10回呼吸をおこなう。

大腿四頭筋のストレッチ

※左側のストレッチの手順

  1. 右足前、左足後ろに開き、左の骨盤を押さえて、前にスライドさせる。
  2. この状態を20秒キープ。(大腿四頭筋の骨盤付近を伸ばす)
  3. その後、左膝を曲げて左手で左足首を持つ。この時、バランスを崩しやすいので、右手は壁などを触ってバランスをとる。
  4. この状態を20秒キープ。(大腿四頭筋を全体的に伸ばす)

広背筋、中殿筋、大殿筋、大腿筋膜張筋/腸脛靭帯のストレッチ

  1. 地面、もしくは椅子に座ったまま脚で四の字を組む。
  2. その状態で身体を前に倒し20秒キープ。

しゃがめるようにするための筋肉の機能を高める

クロスポイント

体幹と下肢のクロスポイントを刺激することにより、

  • 足首:後脛骨筋、長腓骨筋
  • 膝:膝窩筋
  • 股関節:大腰筋、ハムストリングス、内転筋群
  • 背骨:大腰筋、横隔膜

これら全ての筋肉の機能を高めることができます。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

詳細なやり方はこちらの動画をご確認ください。

クロスポイントの詳細な刺激方法

四股立ち

このワークをおこなうことにより、大腰筋・内転筋群・ハムストリングスの機能をさらに高めることができます。

  1. 足を肩幅の2倍に広げ、つま先を斜めに向ける。
  2. 骨盤立て、みぞおちを丸める。
  3. その状態のまま股関節を引いてお尻を下に落とし、内ももと裏ももを叩く

しゃがむ練習①

特にみぞおちと股関節のクロスポイントを意識します。

  1. 足を肩幅より少し広めに開き、つま先を斜め外にむける。(ハの字にする)
  2. 壁を背にして、みぞおちの力を抜き股関節を曲げしゃがむ。

しゃがむ練習②

  1. 壁を背にしてしゃがんだまま合掌し、肘で膝を押さえる。
  2. そのまま腰を左右に揺らし股関節周りの力を抜く。

しゃがむ練習③

壁を背にしてしゃがむのに慣れてきたら、壁から離れてしゃがみます。

  1. しゃがむ練習①と同様に足を開く。
  2. 股関節のクロスポイントを触りながらしゃがみ、1番下まで行ったらみぞおちの力を抜く。

まとめ

  • しゃがめない原因は、前面と後面の筋肉が優位に働きすぎることにより、関節が滑らかに動かなくなっているから。
  • しゃがめるようになるには、インナーマッスルを機能させることにより、関節をスムーズに動かせるようにすること。
  • しゃがめるようになるには、原因となる筋肉をゆるめて、機能してない筋肉を機能させること。

最後に

しゃがめるようになるにはある程度練習が必要です。なので、ここに書いてある内容を根気よく続けていただければと思うのですが、それでもなかなかうまくいかない場合があります。

その時は股関節を柔らかく機能させるための方法を読むことをオススメします。この記事にはブログには書いてないしゃがめるようになるためワークや解説動画を載せてあります。

しゃがめるようになり、

  • 腰痛や膝痛を予防・改善したい
  • 身体を柔らかくしたい
  • 日常の動きをもっと楽にして快適にしたい
  • 股関節を柔らかくして、スポーツのパフォーマンスを上げたい

と本気でお考えの方は、ぜひ読んでみてください。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas