いきなりですが、皆さんは「噛む力が低下すると運動パフォーマンスが下がる」と言う話を聞いたことがありますでしょうか?
スポーツの現場では耳にすることがあるので、もしかしたらご存知の方もいるかもしれません。
パフォーマンス向上には身体の安定性が重要な鍵を握りますが、実は噛む力が低下すると身体が不安定になります。
噛む力と安定性にどの様な関係があるのか。解説していきましょう。
目次
噛む時に働く筋肉
噛む時にメインで働く筋肉が咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋で、補助として働くのが舌骨上筋群・舌骨下筋群です。これらの筋肉は全て機能的に繋がっています。
そしてこの中の舌骨上筋群・舌骨下筋群は身体の安定性をつくる体幹のインナーマッスルと繋がりがあります。
咀嚼筋と体幹のインナーマッスルの繋がり
筋膜で有名なアナトミートレインでは舌骨上筋群・舌骨下筋群は体幹にある横隔膜や大腰筋などの体幹のインナーマッスルと繋がりがあると言われています。
そのため、咀嚼筋が働けば体幹のインナーマッスルも機能するので身体の安定性が向上します。
ですが、これを邪魔する筋肉が存在します。それは首にある胸鎖乳突筋です。
咀嚼筋の機能を低下させる筋肉
姿勢や動きの癖など何かしらが影響して胸鎖乳突筋が固まると、咀嚼筋がその影響を受け機能が低下してしまいます。
胸鎖乳突筋は側頭筋や咬筋と繋がりがあります。そのため、胸鎖乳突筋が固まるとこの2つの筋肉も固まり、咀嚼筋全体の機能が落ちてしまいます。
咀嚼筋の機能を高める
Before
咀嚼筋の機能を高めるには胸鎖乳突筋をゆるめて、咀嚼筋を動かし意識を高めることが必要です。
まずは今の状態を確認するために、グッと噛んでみて、噛む時の力の入れやすさを確認してください。
そして身体の安定感も確認するので、片足バランスもおこなっていきましょう。
胸鎖乳突筋ほぐし
首の横にあるコリコリした筋肉を指でつまみ、頭側から鎖骨側まで満遍なくほぐす。
舌路で腹式呼吸
舌路(ぜつろ)とは口の中で舌を上顎にあて、鼻呼吸をする時の空気の通り道を作ることで、これをすると舌骨上筋郡を働かせるため、咀嚼筋全体の機能を高めることができます。
- 仰向けで寝転がり、膝を立て、舌路を作る。
- へそから指4本分下の下腹部を触る。
- 鼻で息を吸い、下腹部と反対側の腰を膨らます。
- 鼻で息を吐き、もとに戻す。
- これを10回繰り返しおこなう。
After
では再度グッと噛んでみてください。そして片足バランスもおこなってみてください。
いかがでしょうか?先ほどよりも噛む時に力が入れやすく、片足バランスも安定していると思います。
この様に咀嚼筋と体幹のインナーマッスルは繋がっているため、身体の不安定性を感じている方はご紹介したワークを是非試してみてください。
まとめ
- 噛む時にメインで働く筋肉が咬筋・側頭筋・内側翼突筋・内側翼突筋で、補助として働くのが舌骨上筋群・舌骨下筋群。
- 舌骨上筋群・舌骨下筋群は体幹にある横隔膜や大腰筋などの体幹のインナーマッスルと繋がりがある。
- 胸鎖乳突筋が固まると咀嚼筋の機能が低下する。