腹圧コントロール【機能的な体幹を手に入れる】

体幹

先日のセッション中。あるお客様にバランス能力の確認のため、片足バランスをやってもらった時にこんなことを言ってました。

お客様
お腹をへこませたままキープするとバランスがとれるってテレビで言ってたから、普段からお腹をへこませてます。

お腹をへこませたままキープを普段からしている方は結構多いんですよね。

確かにへこませたその時はバランスが多少よくなりますし、姿勢も正される感じがするので、へこませ続けたくなる気持ちもわかります。

ですが、これをやり続けると日常やスポーツなどで必要なバランス能力は逆に低下してしまいますし、腰痛になる可能性も高くなります。

お腹は膨らますこともした方が良い

お腹をへこますと体幹のインナーマッスルが機能します。そのため、片足バランスの時にお腹をへこますとフラつきが減るため安定します。

ですが、インナーマッスルが機能するのは、何もへこませた時だけではありません。お腹を膨らませてもインナーマッスルは機能します。

陰圧と陽圧

お腹にはへこます使い方と膨らます使い方があります。前者は陰圧、後者は陽圧の状態です。

陰圧とは物体の内部の圧力が外部の圧力よりも低い状態のことを言います。そして陽圧は物体の内部の圧力が外部の圧力よりも高い状態のことを言います。

どちらもお腹に圧をかけている状態でインナーマッスルを機能させています。この2つの状態をしっかり使い分けることができると、状況に応じてすぐに力を入れたり抜いたりすることができるため、様々な動きに対応することができます。

陰圧と陽圧を使い分ける

例えば、歩く・走る時は陰圧ですが、ブレーキをかける時は陽圧になります。これがもしどちらか一方しか使えないと、状況が変わった時に対処できず、バランスがとれなくなったり、無駄な動きが増えたりします。

冒頭でお話した片足バランスの能力は確かに必要ではありますが、日常やスポーツで考えたら、立ったまま片足になる瞬間はほんの一瞬だけです。そこだけバランスが良くても、他の動きでバランスが悪ければ、結局フラつきますし、ケガに繋がる可能性が高くなります。

お腹をへこませたままキープしない方が良い理由

やってみていただくとわかると思いますが、お腹をへこますのも膨らますのも、キープするとかなりキツくなります。

試しにお腹をへこませたまま歩いてみてください。多分いつもより歩くことがキツくなると思います。そして、人によっては腰が痛くなってくるんではないでしょうか。

お腹をへこますと腹横筋がメインに働きます。この筋肉は腰に近いところに付着しているため、その他の腰の筋肉と連鎖しやすく、固めすぎると腰に悪い影響を与えます。

腹圧トレーニング

陰圧・陽圧どちらもできるように呼吸トレーニングをしていきます。

陰圧にする呼吸法

  1. 仰向けに寝転がり、膝を立てる。
  2. 息を吸い肋骨を前後左右に広げる。
  3. 肋骨を広げ、下腹部をへこましたまま息を吐く。
  4. そこからさらに息を吸い肋骨を広げる。
  5. これを3連続おこない、最後に息を吐いてお腹の力を抜く。
  6. この一連の流れを3〜5回おこなう。

陽圧にする呼吸法

  1. 仰向けに寝転がり、膝を立てる。
  2. 息を吸って下腹部と反対側の腰を膨らます。
  3. 下腹部を膨らませたまま息を吐く。
  4. そこからさらに息を吸い下腹部を膨らます。
  5. これを3連続おこない、最後に息を吐いてお腹の力を抜く。
  6. この一連の流れを3〜5回おこなう。

まとめ

  • 日常的にお腹をへこませたままキープしてはいけない。バランス能力の低下や腰痛を引き起こす原因になる。
  • 機能的な体幹は陰圧と陽圧のどちらの状態もつくることができ、状況に応じて変化させられる。
  • 腹圧トレーニングで陰圧と陽圧どちらの状態も作れるように訓練する。

最後に

せっかくトレーニングをするなら、どこも痛めず、しっかり効果を出したいですよね。

偏ったトレーニングは逆効果になる恐れがあるので、陰圧と陽圧、どちらの状態も作って、日常でもスポーツでも使える機能的な体幹を作ってください。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas