走りは、陸上競技やサッカー、バスケ、野球などなど様々な競技で使われる基本動作です。
この基本動作が少しでも速くできたら…
なんて思っている方も多くいるのではないでしょうか?
実は足が速い人の特徴の一つが背骨を使えていることです。チーターのような、あの波打つ背骨が手に入れば、足を速くすることができます。
そこで本日は、足を速くするために必要な背骨の使い方についてお話します。
目次
背骨が動くと、なぜ足が速くなるのか?
背骨は大きく頚椎・胸椎・腰椎の3部位に分けられます。
そのうち、走るのに関係してくるのは胸椎と腰椎です。
走りと胸椎の関係
胸椎の動きは、腕振りに関係してきます。
胸椎には肋骨が付着し、肋骨の上には肩甲骨が乗っています。
そのため、胸椎が柔らかく動くと、肋骨を介して肩甲骨も柔らかく動くので、腕振りがスムーズにできるようになります。
さらに胸椎の動きと深い関係にある筋肉が、脇にある前鋸筋や広背筋です。
前鋸筋は肩甲骨の裏から、肋骨の外側に付着しており、背部では菱形筋、腹部では外腹斜筋から反対側の内腹斜筋と繋がっています。
そして広背筋は、腕から背骨に付着しています。
この2つの筋肉が機能すると、腕振りの時に肩甲骨や胸椎が動くのはもちろんのこと、体幹部を安定させることもできるため、ブレの少ない効率の良い走りができるようになります。
走りと腰椎の関係
腰椎の動きは、下肢の動きに関係してきます。
腰椎には体幹部を安定させつつ、股関節の動きを作る大腰筋が付着しており、腰椎が滑らかに動いて、大腰筋が機能すると、走る時に素晴らしい効果を発揮するのです。
まず大腰筋自体が、股関節を柔らかく動かす機能があるため、走る時の足の運びがスムーズになります。
そしてこの大腰筋は裏もものハムストリングスと、内ももの内転筋群と繋がりがあり、この2つの筋肉が走る時に機能すると走りのパフォーマンスが格段に上がります。
ハムストリングスは別名アクセル筋とも呼ばれる筋肉で、その名の通り、走る時にアクセルの役割がある筋肉です。
そして内転筋群は、足を真ん中に引きつける機能があるため、走る時の左右のブレを防いでくれます。
このように、大腰筋が機能すると、繋がりのあるハムストリングスと内転筋群も一緒に機能するため、身体を安定させつつ、素早い足の運びができるようになります。
以上の関係性から、足を速くするためには、背骨を動かすことと、前鋸筋・広背筋と大腰筋の機能を高めることが必要です。
背骨を動かして足を速くする
Before
まずはワークをおこなう前に今の状態を確認します。
すぐに走れる方は、今の走りやすさを確認していただきたいのですが、なかなか難しいと思いますので、その場合は今の歩きやすさで確認します。
次に6つのワークをおこないましょう。
背骨を触って動かす
背骨の中でも特に固まりやすいのが、
- 腰骨のラインの背骨
- みぞおち(へその指4本上)の反対側の背骨
- 胸の真ん中の反対側(肩甲骨の下のライン)の背骨
- 首の根元の出っ張ってる背骨
です。
ここを触りながら動かすことで、背骨全体が動かしやすくなります。
4ヶ所の背骨を触りながら、そこを前後・左右・回旋と動かしてゆるめていきましょう。
クロスポイント
クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。
わきのクロスポイントで前鋸筋と広背筋。
みぞおち/背中のクロスポイントで大腰筋。
股関節/お尻のクロスポイントで大腰筋・ハムストリングス・内転筋群を刺激していきます。
わきを締める
- 座ったまま肘を曲げ、肩を下げてわきに力を入れる。
- その状態で腕を外に開き、わきを締めていく。
股関節スクワット(ハムストリングスと内転筋群を摩る)
股関節/お尻のクロスポイントと同じ動きになりますが、身体を前に倒した後にハムストリングスと内転筋群を内側から摩っていきます。
詳細なやり方は下記の動画でご確認ください。
After
では再度、走って、もしくは歩いてみてください。
いかがでしょうか?先程よりも速くなり、足取りも軽やかになったかと思います。
このように、背骨が動き、関係する筋肉が機能すると、足が速くなるので、お悩みの方は是非ご紹介したワークを試してみてください。
まとめ
- 胸椎が柔らかく動くと肩甲骨も柔らかく動くようになり、腕振りがスムーズになる。
- 前鋸筋と広背筋が機能すると、腕振りの時に肩甲骨や胸椎が動くのはもちろんのこと、体幹部を安定させることもできるため、ブレの少ない効率の良い走りができるようになる。
- 腰椎が柔らかく動くと、大腰筋からハムストリングス・内転筋群が機能し、身体を安定させつつ、素早い足の運びができるようになる。