おはようございます。柴です。
ここ数日、首の痛みについての相談を受けることが多く、ちょくちょく首の治療をしています。
そのため、首についてお話しする機会が増えてきたので、ここで1つ、首に痛みがある人の共通点についてお話したいと思います。
首に痛みがある人の共通点。
それは。
頚椎◯番が動かないということです。
目次
頚椎の構造
頚椎のどこが動かないかを話す前に、まずは頚椎の構造についてお話します。
背骨は頚椎7椎、胸椎12椎、腰椎5椎の全24椎で構成されており、
頚椎1番〜7番をC1〜C7、
胸椎1番〜12番をT1〜T12、
腰椎1番〜5番をL1〜L5
と言います。
そしてその間は全て関節になっており、頚椎で言えば、
頭蓋と頚椎1番の間のをC0-C1、
頚椎1番と2番の間をC1-C2と言い、
それが、頚椎7番と胸椎1番の間のC7-T1まであります。
このような構成になっており、首を前後や横などに動かす時は、この頚椎の間の関節を使って動かしています。
頚椎の可動域
頚椎の動きは、首を前後に倒す屈曲と伸展。
横に倒す側屈、捻る回旋があります。
このうち、
側屈は頚椎全体を使いますが、
屈曲/伸展はC0-C1が全体の50%、
回旋はC1-C2が全体の50%を担っています。
そのため、頚椎の動きはほぼ頚椎の上部である、C1〜C2でおこなわれているのです。
では首を痛める人は一体どこが動かないのか?
それは頚椎の最下部である頚椎7番、関節で言えばC7-T1です。
首を痛めやすい人の特徴
C7-T1は、頚椎の中でも元々動きが少ない方です。
そして、頚椎と胸椎の栄目ということもあり、C7には頚部の筋肉だけでなく、肋骨や肩甲骨からのびる筋肉も付着しているため、
その影響もあり、C7-T1はとても固まりやすい関節になります。
ただ、元々動きが少ないとはいえ、頚椎を動かす時に関与しますし、
C7に付着する筋肉はその他の頚椎にも付着するため、C7-T1の動きが悪くなると、その他の頚椎の動きに影響を及ぼします。
そのため、首を痛めている人・痛めやすい人はC7-T1の動きを出してあげる必要があるのです。
首の動きを出すには、C7を触りながら動かすことが効果的です。ただ、そのまま触りながら動かすよりも、みぞおちをゆるめてから動かすと、さらに効果を高めることができます。
頚椎を動かしやすくする
みぞおちにある腹直筋と外腹斜筋は首の筋肉と繋がりがあります。
腹直筋は胸の筋膜を介して首の前にある胸鎖乳突筋と繋がりがあり、胸鎖乳突筋は首の後ろにある板状筋と繋がりがあります。
板状筋はC7に付着しているため、腹直筋が固まると、胸の筋膜と胸鎖乳突筋を介して板状筋が固まり、C7の動きを悪くします。
さらに外腹斜筋は、脇の前鋸筋を介して肩甲骨の間にある菱形筋から、反対側の板状筋と繋がりがあります。
菱形筋もC7に付着しているため、外腹斜筋が固まっても、前鋸筋を介して菱形筋や反対側の板状筋が固まるため、C7の動きを悪くするのです。
そのため、みぞおちが固まるとC7はガチガチに固まり動かなくなってしまうため、C7を触って動かす前に、みぞおちをゆるめておいた方が、C7を動かしやすくなります。
首の痛みを緩和するワーク
Before
首の痛みを緩和するために、みぞおちをゆるめるワークとC7を動かすワークをおこないます。
まずはワークをおこなう前に、今の首の状態を確認していきましょう。
首を前後や横、回旋と動かしてみて、動かしやすさや、痛みがある人は痛みの具合を覚えておきます。
次に2つのワークをおこないましょう。
みぞおちをゆるめる
みぞおちにある腹直筋や外腹斜筋をゆるめて、C7を動かしやすくします。
- 手の平と甲をゆっくりなでて、両手共温める。
- その手でみぞおちを触る。
- 舌を上顎のあてた舌路(ぜつろ)の状態を作ったら、そのまま鼻呼吸でみぞおちを膨らます。
- 鼻で息を吐き、みぞおちを元の状態に戻す。
- これを10回繰り返す。
詳細なやり方はLINE@登録者限定動画でご確認ください。
C7を動かす
首を前に倒すと、首の下に出っ張る骨があります。これがC7です。
ここを触りながら首を前後・横・回旋と動かしていきます。
前後の場合は、首を前に倒した時にC7を後ろに出っ張らせ、後ろに倒した時にC7を身体の中に入れていくように動かしましょう。
横の場合は、首を倒した方と反対側にC7を動かします。
回旋の場合は、顔を向けた方の反対側にC7を向けるように動かします。
これをC7の動きを感じ取れるまでおこないます。
After
ではC7を動かすように首を前後・横・回旋と動かしてみてください。
いかがでしょうか?先程より動かしやすくなり、痛みがある方は、その痛みが緩和したと思います。
このようにC7の動きが悪くなるだけで、首に大きな負担をかけてしまうので、お悩みの方は、ご紹介したワークをぜひ試してみてください。
まとめ
- 頚椎は7椎あり、その中でも最下部にある頚椎7番と胸椎1番の間の関節が、一番動きが小さい。
- 首を痛めてる人は、頚椎7番の動きが悪く、その影響で首全体の動きが悪くなっている。
- 頚椎7番の動きを出すには、直接触りながら動かすのが効果的。
- みぞおちの筋肉が頚椎7番に付着する筋肉と繋がりがあるため、頚椎7番を動かす前にみぞおちをゆるめておくと、頚椎7番が動かしやすくなる。