肩を下げる意識をしても、肩の力が抜けない理由とは?

首・肩

例えば、デスクワーク中に肩に力が入り、すぐに肩がこってしまったり。
マラソンやサッカー、筋トレなどのスポーツや運動中に、肩に力が入り、思ったように動けなかったり。

肩に力が入ると、仕事でもスポーツでもパフォーマンスが下がってしまいますよね。

そしてそれを解決する策として、よくやるのが肩を下げる意識

昔サッカー部だった私は、「肩に力が入ってるぞー!!」ってコーチや、同級生・先輩に言われて、
肩を下げる意識をしてたことはありますが、正直なんの意味もなく、まるでその効果を実感することができませんでした。

なぜ肩を下げる意識をしても効果がないのかというと、そもそも肩の力の抜き方がわからないし、肩を下げる筋肉の使い方がわからないからです。

ここが緊張してるから肩に力が入る

肩に力が入る要素は人それぞれ違うのですが、その中でも共通して緊張している部分があります。

それはみぞおち・力こぶ・前腕の親指側です。

これらが肩とどのようなつながりがあるのか。解説していきます。

みぞおちと肩の関係

みぞおちには腹直筋と呼ばれる割れる腹筋が付着しています。

腹直筋は胸の大胸筋を介して、肩の三角筋僧帽筋と繋がっているため、
不良姿勢や動きの癖など何かしらが影響して、みぞおちが固まると肩に力が入ってしまうのです。

力こぶ・前腕の親指側と肩の関係

前腕の親指側の筋肉と、力こぶの上腕二頭筋は繋がっています。

そして上腕二頭筋は胸の小胸筋・大胸筋と繋がっており、大胸筋は三角筋僧帽筋と繋がっています。

親指は手の中でも一番力の入る指ですし、上腕二頭筋は肘を曲げたり、物を持ったりするときに使われるため、使用頻度が高く、とても固まりやすい筋肉です。

そのため、その影響で肩に力が入りやすくなってしまうのです。

このように、これら3つの部位は力が入りやすいので、肩の力を抜けるようにするにはこれらの部位を柔らかくする必要があるのですが、正直それだけでは不十分です。

何故なら、これらに力を入れてしまうという癖自体が直ってないから。
それが解消されない限り、またすぐに肩に力が入ってしまいます。

ではそれをどのようにして解消するのか。

それは、脇の筋肉を使えるようにすることです。

脇と脇と関係の深い筋肉を使えるようにする

脇には前鋸筋という筋肉があります。

この筋肉の付着部位や走行を見てみると、肩甲骨の裏側から、肋骨に沿って斜め下に走行して付着しているため、
この筋肉が機能すると肩を下げてくれるのです。

そのため、前鋸筋の機能を高めれば、肩に力をいれる癖を解消できるのですが、この筋肉をただ使う訓練をするだけでは、その効果は薄いです。

何故なら、肩に力を入れるときに機能する筋肉の方が圧倒的に多いから。

前鋸筋が機能すれば三角筋や僧帽筋の機能は抑えることができます。

ですが、三角筋や僧帽筋はみぞおちや、力こぶ・前腕の親指側と繋がっているため、
みぞおちや力こぶ・前腕の親指側の力が強すぎると、三角筋や僧帽筋も力が強くなり、
前鋸筋では抑えきれないぐらいの固さになってしまいます。

そのため、それに負けないようにするには、前鋸筋と繋がりがあり、尚且つ、みぞおちや力こぶ・前腕の親指側の力を抑え込むことのできる筋肉を使えるようになる必要があるのです。

それができるのが、みぞおちの奥にある横隔膜や、腕裏の上腕三頭筋、前腕のインナーマッスルの浅指屈筋・深指屈筋です。

前鋸筋を使えるようにするために必要な筋肉

横隔膜や上腕三頭筋、浅指屈筋・深指屈筋は全て前鋸筋と繋がりのあり、みぞおちや力こぶ・前腕の親指側の力を抑え込むことのできる筋肉です。

ではまず、どうやってその力を抑え込むのかについて解説します。

インナーマッスルとアウターマッスルの関係

みぞおちや力こぶ・前腕の親指側の力をどうやって抑え込むのかというと、それはインナーマッスルとアウターマッスルの特徴が関係してきます。

横隔膜や上腕三頭筋、浅指屈筋・深指屈筋は全て中にあるインナーマッスルです。

厳密にいうと上腕三頭筋はアウターマッスルですが、浅指屈筋・深指屈筋と繋がりのある筋肉のため、ここではインナーマッスルとして分類しています。

インナーマッスルは関節をスムーズに動かし、更に持久力もあるため、長時間使っても疲れづらく、固まりにくいため、姿勢を保持する役割もあるのです。

そして、腹直筋や上腕二頭筋・前腕の親指側の筋肉は全て表面上にあるアウターマッスルです。
アウターマッスルは力は強いですが、持久力がないため、使われるとすぐに疲れて固まってしまいます。

肩に力が入りやすい人は、インナーマッスルがうまく使えてないことが多く、その分アウターマッスルを使って関節を動かしたり、
姿勢を保持しているため、すぐに筋肉がこり固まり、その影響で肩に力が入ってしまうのです。

これを解決するには、インナーマッスルで関節を動かしつつ、姿勢を保持することができるようになり、
アウターマッスルにかかる負担を抑えることが必要です。それができるとアウターマッスルに力が入り辛くなり、結果的にゆるむのです。

そのため、横隔膜が使えれば、腹直筋はゆるみ、
上腕三頭筋と浅指屈筋・深指屈筋が使えれば、上腕二頭筋や前腕の親指がゆるみます。

続いて、横隔膜・上腕三頭筋・浅指屈筋・深指屈筋と前鋸筋との関係について解説します。

横隔膜と前鋸筋の繋がり

横隔膜は主に呼吸の時に機能するため、その機能が高まると肋骨の広がりが良くなります。

そして前鋸筋は肋骨を広げる補助筋として機能するため、横隔膜の機能が高まると前鋸筋の機能も高まるのです。

上腕三頭筋・浅指屈筋・深指屈筋と前鋸筋の繋がり

浅指屈筋・深指屈筋は上腕三頭筋と繋がりがあります。

そして上腕三頭筋は肩甲骨を介して前鋸筋と繋がりがあるため、
これら3つの筋肉の機能が高まっても前鋸筋の機能が高まります。

このように、横隔膜・上腕三頭筋、浅指屈筋・深指屈筋は、アウターマッスルをゆるめ、前鋸筋とも繋がっているので、
肩に力が入りやすい人は、前鋸筋プラスこの4つの筋肉の機能を高めていくことが必要です。

肩を下げられるようにするワーク

肩を下げられるようにするには、腹直筋・上腕二頭筋・前腕の親指側の筋肉をゆるめ、
前鋸筋・横隔膜・上腕三頭筋、浅指屈筋・深指屈筋の機能を高めていきます。

腹直筋をゆるめる

呼吸法で腹直筋をゆるめていきます。

  1. 手の平と甲をゆっくりなでて、両手共温める。
  2. その手でみぞおちを触る。
  3. 舌を上顎のあてた舌路(ぜつろ)の状態を作ったら、そのまま鼻呼吸でみぞおちを膨らます。
  4. 鼻で息を吐き、みぞおちを元の状態に戻す。
  5. これを10回繰り返す。

詳細なやり方はLINE@登録者限定動画でご確認ください。

みぞおちをほぐすワーク

上腕二頭筋をゆるめる

力こぶの中間あたりを反対側の手でつまみほぐす。

前腕の親指側の筋肉をゆるめる

親指側の特に肘よりを反対側の指で摘みほぐす。

クロスポイント

続いて前鋸筋・横隔膜・上腕三頭筋、浅指屈筋・深指屈筋の機能を高めていきます。

これらの筋肉の機能を高めるのに効果的なのがクロスポイントワークです。

クロスポイントとは、インナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもので、上肢にある手・肘・脇のクロスポイントと、
体幹にあるみぞおち/背中のクロスポイントをおこなっていきます。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

詳細はLINE@登録者限定動画をご確認下さい。

クロスポイントの詳細な刺激方法

クロスポイントを繋ぐ

手・肘・脇・みぞおちのクロスポイントを繋いでいきます。

  1. 手のクロスポイントをくぼませて手をついて四つん這いになる。
  2. 位置は肩の下に手首、股関節の下に膝を置く。
  3. 肘を伸ばし、脇を締めて、みぞおちの力を抜き、脇で身体を支える。

まとめ

  • 肩を下げる意識をしても効果がないのは、そもそも肩の力の抜き方がわからないし、肩を下げる筋肉の使い方がわからないから。
  • 肩に力が入ってる人は腹直筋・上腕二頭筋・前腕の親指側に力が入っている。
  • そして横隔膜・上腕三頭筋・浅指屈筋・深指屈筋が使えていない。
  • 肩を下げられるようにするには、腹直筋・上腕二頭筋・前腕の親指側の筋肉をゆるめ、前鋸筋・横隔膜・上腕三頭筋、浅指屈筋・深指屈筋の機能を高めていくことが必要。

最後に

肩を下げて、肩の力を抜けるようにするには、これらの筋バランスを整えないとできません。

なので、お悩みの方はご紹介したワークに是非取り組んでください。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas