なぜ膝痛の人は股関節が使えた方が良いのか?

柴です。

昨日のジャンパー膝の記事。そこでは、内ももや裏ももが使えると良いと書きましたが、股関節を使えると良い理由はもう一つあるんですよね。

これはジャンパー膝も、そうでない膝痛の人にもとても重要な事なので、お悩みの方は読み進めてください!

なぜ股関節を使えた方が良いのか?

その理由は膝関節と股関節の動きの特徴にあります。

膝関節は曲げ伸ばししかできない

動きを見れば一目瞭然ですが、膝は曲げ伸ばし(屈曲伸展)しかできません。

厳密に言えば、膝の曲げ伸ばしの動きに合わせて、スネが内や外に捻れますが、小さな動きのため、膝の動きはほぼ曲げ伸ばしのみです。

そのため、対応できる方向も前後のみになるので、横の動きや、捻りの動きなどが入ると、膝は対処できなくなります。

例えば、外側に移動、もしくは接触などで外側によろけたり、倒されそうになった時に、膝で対処しようとすると、膝が横に折れ曲るストレスがかかるため、膝に大きな負担をかけます。

そして、その衝撃があまりに強いと、昨日のジャンパー膝や腸脛靭帯炎になったり、ひどい時は靭帯断裂や半月板損傷などの外傷に繋がることがあります。

これを解決するのに、膝以外に動かせる方向が多く、うまく衝撃を吸収できる関節を使うことが必要で、その関節が股関節なんです。

股関節は曲げ伸ばし以外もできる

股関節は膝と違って、前後以外にも、横や捻りの動きもあるため、様々な動きに対応できる関節です。

例えば、「膝関節は曲げ伸ばししかできない」であげた例と同じ、外側への移動やよろけたりする場面があったとします。

この時、膝ではなく、横の動きがある股関節を使えると、衝撃をうまく吸収することができるため、膝を痛めずに対処することができます。


このように、動かせる方向が少ない膝に変わって、股関節をうまく働かせることができると、膝にかかる負担が軽減し、ケガのリスクを下げることができます。

そしてこのような使える股関節を手に入れるために必要なのが、股関節の動きを作る大腰筋の働きを高めることです。

大腰筋が働くと股関節を使えるようになる

大腰筋は、みぞおちの反対側の背骨から股関節をまたいで大腿骨の内側に付着しています。

この筋肉はインナーマッスルで、身体の中にあるため、普通に股関節を動かすだけでは使えるようになりません。

そのため、大腰筋の働きを高めるには、付着している部分を触りながら動かす必要があるのです。

なぜ触りながら動かすのかというと、それは体性感覚というものが関係します。

体性感覚とは皮膚の感覚と筋肉・腱・関節の感覚の総称のことを言い、
皮膚の感覚は、触っている感覚や熱の感覚(熱いとか冷たいとか)、痛みの感覚などがあり、
筋肉・腱・関節の感覚は、手足や身体の位置・運動・抵抗・痛みや物の重量などの感覚があります。

大腰筋の付着部位を触って動かすというのは、この体性感覚を利用するためで、触って動かすとそこに感覚ができ、何度も繰り返しやり続けることで大腰筋を使う感覚が出来てくるのです。

大腰筋を使う感覚を身につける

大腰筋を使えるようになったかの変化を見るため、まずはじめに足上げをして股関節の動きを確認しましょう。

左右差や股関節に詰まり感がある人はその感覚を覚えておいてください。

次に大腰筋を使えるようにするためのワークをおこないます。

みぞおち/背中のクロスポイント

みぞおちの反対側にある背骨の胸椎12番に大腰筋は付着しているため、そこを触り動かします。

  1. へその指4本上にあるみぞおちを触り、その反対側の背骨を触る。
  2. その背骨を丸めたり起こしたりをして動かし、動きの悪い方を確認する。
  3. 例えば丸めるのがやりづらければ、やりやすい方を3回やった後、丸めてみて、やりやすさが変わったかどうかを確認する。変わってなければ再度同じ手順で背骨を動かす。
  4. これと同じ流れを横に倒すのでも、捻るのでもおこない、左右差があったら、やりやすい方3回動かした後やりにくい方1回動かして、やりにくい方がやりやすくなったかを確認する。

股関節/お尻のクロスポイント

恥骨の隣あたりに大腰筋があり、大腰筋と関係の深い筋肉がお尻にあるので、そこを触りながら股関節を動かします。

  1. 足を腰幅に開き、つま先を前に向けて、膝の力を抜いく。
  2. この状態で恥骨の隣を触る。
  3. 触っている場所から身体を折り曲げるように前に倒す。すると、裏ももが伸びるので、それを感じ取る。
  4. お尻のほっぺの下の坐骨あたりを触り、そこから股関節を伸ばすように身体を起こす。
  5. これを10回繰り返す。

この2つが終わったら再度足上げをやってみましょう。

いかがでしょうか?先程より足を上げやすくなり、股関節に詰まり感があった人は、その詰まりが緩和したと思います。

まずはこれを基本として、慣れてきたら、股関節を触りながら歩いてみたり、捻ってみたり。
更に走ったり、ジャンプしたりと負荷を上げてみてください。

すると、徐々に股関節を使って身体を動かすという感覚がわかってくると思います。

まとめ

股関節が重要だという話はよく聞くと思うのですが、なぜ重要なのかという大事な部分が抜けてることが多いです。

今回の内容はその重要な部分の1つなので、この事を理解した上でワークにはげんでくださいねー!

【本日の記事のまとめ】

  • 膝関節は前後にしか動かず、横や捻りの動きは対処しきれないため、その動きが入ると膝に負担がかかる。
  • 股関節は前後・横・捻りと3方向に動くため、衝撃をうまく吸収する事ができるため、股関節が使えると膝関節を痛める可能性が低くなる。
  • 股関節が使える様になるには、股関節の動きを作る大腰筋の働きを高める。
  • 大腰筋の働きを高めるには、付着している部位を触って、そこを動かす事。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas