先日膝の痛みでお悩みの女性の方に「変形性膝関節症でももの表(大腿四頭筋)を鍛えるように言われて鍛えてきたが、一向に痛みが変わらない」という相談を受けました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)とはももの表の筋肉で、膝を伸ばしたり(伸展)、股関節を曲げたり(屈曲)する機能があります。
今回のケースのような変形性膝関節症以外の膝の痛みでも、大腿四頭筋を鍛えるよう指示されることが多々あります。
もちろん大腿四頭筋も必要な筋肉なんですが、ここだけを鍛えたところで痛みは引かないことの方が多いです。
目次
なぜ大腿四頭筋を鍛えるだけではダメなのか?
脚は大きく分けて表・裏・外・内と四方向から筋肉が走行しています。
そして各部位、体幹の筋肉と連鎖して機能します。
表は体幹の表。裏は体幹の裏。外は体幹の外。内は体幹の中(インナーマッスル)。
このように連鎖するため、痛めないよう安定した動きができるようになるには、各方向満遍なく筋肉が機能する必要があります。
そのため、大腿四頭筋だけ鍛えても痛みは変わらない。もしくはこのバランスが崩れてしまい逆に痛みが増してしまう恐れもあります。
鍛えるべき部位は裏ももや内もも
大腿四頭筋や外ももの大腿筋膜張筋/腸脛靭帯は普段から意識しやすくとても使いやすい部位です。その理由は目で見え、そして触りやすいから。
大腿四頭筋で言えば、脚の中で一番目につきますし、疲れた時や地面から立ち上がる時には膝に手をつくため触っています。
大腿筋膜張筋/腸脛靭帯で言えば、普段立ってる時なんかは手は身体の横にあるため大腿筋膜張筋を触ってますし、疲れた時なんかは大腿筋膜張筋と連鎖するわき腹に手を当てることがあります。
これに対して内ももの内転筋群や裏もものハムストリングスはどうでしょうか。
まず目では見づらいです。内転筋群は股を開かないと見れないし、ハムストリングスは鏡ごしでないと見えません。そして、無意識に内転筋群やハムストリングスを触ることなんか早々ありません。
こういった理由から大腿四頭筋や大腿筋膜張筋/腸脛靭帯は意識しやすく、日常生活でも発達しやすいです。
それに対して内転筋群やハムストリングスは意識が向きづらいため、意識的に触ったり叩いたりと刺激を入れつつ鍛えないとどんどん筋肉は落ちていきます。
そのため、筋肉のバランスを整えるためには内転筋群やハムストリングスを意識的に鍛える必要があるわけです。
内転筋群やハムストリングスの意識を高める
痛みの状態にもよりますが、膝が痛い場合いきないスクワット等のトレーニングを入れてもうまくできない事があります。そのため、まずはじめはこれらの筋肉を触ったり叩いたりすることから始めていきます。
体幹と下肢のクロスポイント
内転筋群・ハムストリングスに直接関係するのは、お尻や膝裏上のクロスポイントです。ですが、その他のクロスポイントも内転筋群・ハムストリングスと深い関係があるため、必ず一緒に刺激していきましょう。
詳細なやり方はLINE@登録者限定動画でご確認ください。割膝
ハムストリングスと内転筋群を叩いて、さらに強い刺激をいれます。
- 足は前後に開き、骨盤は前を向け、後ろ足は伸ばす。
- 前足の膝を軽く曲げ、みぞおち(へそから指4本上)の力を抜き、丸めていく。
- その状態で内転筋とハムストリングスを叩く。
四股立ちで内転筋群・ハムストリングス叩き
割膝は縦の動き。四股立ちは横の動きでハムストリングス・内転筋群の機能を高めていきます。
- 脚を肩幅の2倍に広げ、つま先をハノ字にする。この時みぞおちは丸め、お尻の穴を真下に向けておく。
- その体勢のまま軽く股関節を曲げお尻を下に落とす。
- その状態で内転筋群やハムストリングスを叩く。
割膝・四股立ち共に詳細なやり方は、LINE@登録者限定動画でご確認ください。
最後に
これらの種目に慣れてきたら、「機能的な身体を作る股割り」にある股割りスクワット①や、
「歩行・走行時になぜ親指に力を入れてはいけないのか」にある片足スクワット(中指意識)をおこない、内転筋群やハムストリングスをさらに強化してください。