腰を痛めてる人。痛めやすい人の前屈みの動きを見ていると、かなりの確率で膝に力が入っています。
そして、その力を抜くようにアプローチをするだけで、腰痛が緩和されるので、セッション中、腰に一切手を触れないこともチラホラ。
このように、膝と腰は深い関係にあるので、本日はその関係についてお話します。
目次
膝に力が入るとは?
膝に力が入るとは、私の場合、太ももの大腿四頭筋に力が入ってることを言います。
前屈みでの膝の力の入り方は人により多少違ってきますが、大きく分けると伸ばしきって力を入れてるか、曲げて力を入れてるかの2パターンです。
この2つの違いは、大腿四頭筋を縮めながら力を入れてるのか、伸ばしながら力を入れているかの違いで、
それ以外はほとんど一緒なので、2つとも腰に負担をかける動きになります。
では、なぜ膝に力が入ると腰に負担をかけるのでしょうか?
その理由は2つあります。
膝と腰の繋がり
膝に力が入ると、腰に負担をかける理由は、
- 筋肉の連鎖で腰の筋肉に力が入る。
- 股関節の動きが悪くなる。
の2つです。
1つずつ解説していきます。
筋肉の連鎖で腰の筋肉に力が入る
大腿四頭筋はお腹の腹直筋と繋がりがあるため、大腿四頭筋に力が入ると腹直筋にも力が入り、固まります。
そして、腹直筋は脇腹の外腹斜筋と繋がりがあり、外腹斜筋は背中で腰の筋膜と繋がっているため、
大腿四頭筋に力が入ると腹直筋・外腹斜筋を介して、腰の筋膜とその周辺にある腰の筋肉に力が入り、固めてしまうのです。
股関節の動きが悪くなる
大腿四頭筋は膝のお皿から、股関節をまたいで、骨盤の下前腸骨棘に付着しています。
下前腸骨棘は股関節のすぐ上にあるため、大腿四頭筋に力が入ると、下前腸骨棘付近の大腿四頭筋が盛り上がってしまい、股関節を曲げた時に挟んで詰まりを起こします。
すると、股関節の動きが悪くなるため、その分の動きを腰椎で補い、腰に負担をかけてしまうのです。
このような関係があるため、膝に力が入ると腰に負担をかけてしまいます。
これを解決するには、大腿四頭筋に力が入らないように、反対側にある膝窩筋・ハムストリングスと、繋がりのある大腰筋を機能させることです。
膝の力を抜くために必要な筋肉
膝が伸びても曲がっても大腿四頭筋に力が入ってしまうのは、反対側にある膝裏の膝窩筋・裏もものハムストリングスとのバランスが崩れているからです。
そのため、膝窩筋・ハムストリングスの機能を高めると、大腿四頭筋の緊張を和らげ、膝の力を抜くことができます。
そして更に、ハムストリングスは背骨に付着する大腰筋と繋がりがあります。
大腰筋は姿勢を保持する役割があるため、機能すると腹直筋や腰の筋肉・筋膜の代わりに腰椎を支えてくれるので、その分、腰の負担が軽くなり、腰痛の緩和に繋がります。
膝の力を抜くワーク
膝の力を抜き、腰の負担を軽くしていきます。
Before
ワークをはじめる前に、今の状態を確認したいので、前屈をして腰の張り感や痛みの具合を確認します。
次に膝の力を抜くワークをおこないます。
膝裏ほぐし
膝裏をほぐし、膝窩筋やハムストリングスをゆるめていきます。
この2つの筋肉は機能せずに固まっているため、まずはじめにほぐして、機能しやすい状態にします。
みぞおちほぐし
みぞおちをほぐすことで、腹直筋から大腿四頭筋をゆるめることができますし、みぞおちの奥にある大腰筋の機能を高めることもできます。
- へそから指4本上のみぞおちを触る。
- 息を吸って、吐きながら身体を前に倒して、みぞおちをほぐす。
クロスポイント
クロスポイントとは、インナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。
みぞおち/背中、股関節お尻のクロスポイントで大腰筋とハムストリングス。
膝裏、膝裏上のクロスポイントでハムストリングスと膝窩筋の機能を高めていきます。
詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画をご確認ください。After
では、再度前屈をしてみてください。
いかがでしょうか?先程よりも前屈がやりやすくなり、腰の張りや痛みも緩和していると思います。
このように、膝と腰は繋がりがあるので、腰痛でお悩みの方は、膝へのアプローチを是非試してみてください。
まとめ
- 腰痛で悩んでいる人の多くは、膝に力が入ってる。
- 膝に力が入ると大腿四頭筋が緊張し、ここが固まると、繋がりから腰の筋肉が固まったり、股関節の動きが悪くなったりするため、腰痛になる。
- ハムストリングス・膝窩筋・大腰筋が機能すると、大腿四頭筋の緊張が和らぎ、腰の負担も軽くなる。
- 膝の力を抜くワークで腰痛を緩和することができる。