歩く時、走る時は親指で地面を蹴る!
これをね。結構やってしまってる方が多いです。
まぁ最終的には親指で蹴っているんですが、それは結果的にそうなってるだけで、それを意識的にやってしまうと、
スポーツパフォーマンスの低下
腰痛や膝痛
扁平足や外反母趾
に繋がってしまうんです。
目次
なぜ「親指で蹴ると良い」という認識になってしまったのか
親指は足趾の中で最も力の入れやすい指です。
そのため歩く時・走る時は親指で地面を蹴って前に進むというイメージをする方が多いようです。
多分このイメージはテレビや雑誌、僕のような運動指導者が親指で蹴ると良いみたいな事を言ってるのが原因だと思います。
じゃあそうやって情報発信している人が悪いのかというと、そうではありません。
専門書にも書いてありますが、歩行や走行時の重心は実際に踵から親指に抜けています。
そして親指にはメカノレセプターと呼ばれる足裏の感覚を脳に伝える受容器が豊富に分布しています。
画像左:メカノレセプターの分布図
画像右:重心の移動
※引用元:観察による歩行分析
専門書にもこのように書いてあり、実際の機能として親指の感覚が一番強ければ「親指で蹴る!」という認識になっても仕方ありません。
では一体なぜ親指で蹴ってはいけないのか。
それは、歩く時・走る時にブレーキをかけてしまうからです。
親指で蹴ってはいけない理由
専門書を見る限り、親指で蹴るのは間違いではないように思われます。
ですが、実際は親指で蹴ってはいけません。どういうことかと言うと、これは認識の違いなんです。
専門書に書いてあるのは「重心が親指から抜ける」ということであって、「意識して親指で蹴る」という意味ではないんです。
意識して親指で蹴る。つまり親指に力を入れて蹴ると、関連する筋肉が固まります。
その筋肉とは親指側にある前脛骨筋・長母趾伸筋・後脛骨筋・長母趾屈筋・母趾外転筋です。
この筋肉の中でも前脛骨筋は歩行・走行時にブレーキとして働く大腿四頭筋と繋がっています。
そのため親指で蹴ると前に進みたいのに、ブレーキをかけてしまことになるので、思うように前に進まないため、スポーツパフォーマンスを下げてしまうのです。
更に親指で蹴る意識が強いとつま先より膝を内側に入れやすくなるため、膝がくの字に曲がり土踏まずを潰します。
これが原因で膝を痛めたり、扁平足や外反母趾になったりします。
ちなみに下記の動画は左は親指で、右は中指でチューブを踏みながらおこなった片足スクワット。
動くスピードを上手く合わせられなかったので少し見づらいですが、しっかり観察すると親指の意識が強いと膝が内に入るためふらついてしまい、中指だと安定します。
この現象の理由はわかりませんが、多分指の意識の強さで行きやすい方向が変わってくるのではないかと思います。
中指は真ん中なので真ん中に意識があると、うまく収まって安定するのでしょう。
では歩く時・走る時は一体どこで蹴れば良いのか?
それは、いくつか使えた方が良い部位はありますが、その中でも特に重要なのが、関節で言えば股関節、筋肉で言えばハムストリングスです。
どこで蹴れば良いのか
裏ももにあるハムストリングスの特に坐骨付近は、歩行・走行時にはアクセルとして機能します。
股関節を使えるとハムストリングスの坐骨付近が使えるようになり、効率よく前に進むことができるようになります。
その結果、重心が前に移動し親指から抜けるわけです。
ただし、ハムストリングスを使う時も、意識して力を入れてはいけません。
力を入れてしまうと固くなり、ハムストリングスがうまく働かなくなります。
きちんと働かせるには、無意識の領域でゆるんだ状態で動かせるようにしなければなりません。
ではそれをどうやってやるのか。
それは股関節やハムストリングスに日々刺激を入れてくことです。
刺激を入れることで、股関節やハムストリングスの使い方を身体が覚えるため、その精度が高まるにつれて、徐々に歩行や走行時に無意識に使えるようになってきます。
親指で蹴らないようにするためのワーク
以下の2つのワークで股関節。そしてハムストリングスに刺激を入れていきましょう!
股関節とハムストリングスへの刺激①
- 足を腰幅に開き、つま先を前に向ける。
- 股関節(恥骨の横)を触り、膝を軽く緩め、股関節を曲げていく。
- きちんと曲がっていると、裏もものお尻よりの部分が伸びるので、それを感じ取る。
- お尻のほっぺと裏ももの境目(坐骨)を触り、そこから身体を起こす。
- これを10回繰り返す。
詳細なやり方はこちらの動画でご確認ください。
股関節とハムストリングスへの刺激②
- 前足の股関節とお尻のほっぺと裏ももの境目を触る。
- 股関節を曲げてしゃがむ。この時ハムストリングスが伸びてるか確認する。
- 膝が前に突っ込んだり、内に入ったりしないように股関節を伸ばし、立ち上がる。
- これを10回繰り返したら、反対側も行う。
腰痛や膝痛予防
脚やせに効果的なのが股関節と坐骨(お尻のほっぺの下)を意識したスクワット。
ここを触りながらおこなう事で、体幹のインナーマッスルと下肢を繋げて同時に鍛える事ができる。
はじめは10回。慣れてきたら20回。さらに慣れたら2〜3セット。
と徐々に負荷を増やしていきましょう! pic.twitter.com/A4AfzsrNQu— 柴 雅仁@セルフケア系書籍を2冊連続出版📚 (@PT_shiba) April 26, 2019
この2つをコツコツと!
これらのワークを週2−3回くらいですかねー。
コツコツと積み上げていけば無意識の領域で使えるようになってくるので。
是非続けてくださいねー!