スポーツパフォーマンスを高めるためにストレッチなどの柔軟体操をすると思います。
ですが、裏ももや内もも。ももの表など、ストレッチをする場所のほとんどが下半身になっていないでしょうか?
もちろん下半身の柔軟性も必要です。ですが、それと同じくらい上半身の、特に胸椎の柔軟性が必要になります。
目次
回旋や伸展要素の強いスポーツは胸椎の柔軟性が重要
背骨は頚椎・胸椎・腰椎と3部位に分かれており、その中でも胸椎の動きは特に重要です。
なぜ背骨の中でも胸椎なのかというと、胸椎は腰椎と比較して回旋(捻る)や伸展(反る)角度が大きいためです。
回旋角度は腰椎は5°に対して、胸椎は30°もあります。そして伸展角度は腰椎は15°に対して、胸椎は20°〜25°あります。
この様に胸椎は可動域が広いため、柔軟性が低下すると、ゴルフや野球、サッカーなどの回旋や伸展要素が大きい動作のパフォーマンスが低下してしまいます。
胸椎の柔軟性は上肢の動きにも関係する
胸椎には肋骨が付いていて、肋骨の上には肩甲骨が乗っています。
そのため、胸椎の柔軟性が低下すると、肩甲骨を介して、上肢全体の動きが悪くなります。
胸椎は体幹の安定性を高める
胸椎の1番下である12番には、横隔膜や大腰筋といった体幹のインナーマッスルが付着しています。
そのため、胸椎の動きが悪くなると、体幹のインナーマッスルの機能も低下し、体幹の安定性が低下してしまいます。
胸椎の柔軟性は下肢の動きにも関係する
先程お話したように、胸椎には大腰筋が付着しています。
大腰筋は股関節の動きを作る筋肉で、さらに下肢の筋肉とも繋がっているため、胸椎の動きが悪くなると大腰筋を介して、下肢全体の動きが悪くなります。
このように胸椎は全身の動きに影響を与える部分なので、柔軟性は常に高い状態を維持しておく必要があります。
胸椎の柔軟性を高める
胸椎の柔軟性を高めるには、まずはじめに動きの邪魔をする筋肉をゆるめて、その後ストレッチをすると、効率よく柔軟性を高めることができます。
みぞおちを膨らます呼吸
みぞおちとみぞおちの反対側を膨らます呼吸をおこないます。
みぞおちには肋骨に付着する腹直筋。反対側の背骨には胸椎に付着する脊柱起立筋があります。
ここを膨らます呼吸をおこなうことにより、胸椎の動きを制限する2つの筋肉をゆるめることができます。
- 座ったまま、へそから指4本上のみぞおちと、反対側の背中を触る。
- 息を吸ってみぞおちと背中を膨らまし、吐いて元に戻す。
- これを10回繰り返す。
ブリッジ
これで胸椎の伸展をしていきます。
胸椎の伸展動作は、スポーツでいうと、走る時・サッカーのシュート・野球の投球動作などで必要になるので、ブリッジで胸椎伸展の可動域を広げていきます。
難易度が3つあるので、自分の柔軟性にあったブリッジをおこなっていきましょう。
難易度:弱
- みぞおちの反対側の背中にクッションや枕などを当てて、膝を立てて寝転がる。
- 両手を胸の前に伸ばし、息を吸ってバンザイ。吐いて元に戻す。
- これを10回繰り返す。
難易度:中
- 壁を背にして立つ。
- みぞおちの反対側を反って、両手を壁につける。
- そのまま深呼吸を10回おこなう。
難易度:強
- 膝を立てて足は肩幅、両手は頭の横につけて寝転がる。
- 足と腕を使い、みぞおちの反対側を反ってブリッジをする。
- その状態で深呼吸を10回おこなう。
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キャットツイスト
これで胸椎の回旋をしていきます。
胸椎の回旋動作は、スポーツでいうと、走る時の腕振り・サッカーのシュート・野球の投球動作、ゴルフのスイングなどで必要になるので、キャットツイストで胸椎回旋の可動域を広げていきましょう。
- 横向きで寝転がり、みぞおちの力を抜きながら丸める。
- 上の膝を手の甲か肘で抑えながら、反対の腕を大きく広げて戻す。
- これを10回繰り返しおこなう。
まとめ
- 胸椎は他の背骨よりも回旋や伸展角度が大きいため、柔軟性が低下すると回旋や伸展要素の強いスポーツのパフォーマンスが低下する。
- 胸椎は肩甲骨と繋がりがあるため、上肢の動きにも影響を与える。
- 胸椎には体幹のインナーマッスルが付着しているため、体幹の安定性にも関係する。
- 胸椎には下肢の動きを作る大腰筋が付着しているため、下肢の動きにも影響を与える。
最後に
いかがでしょうか?胸椎の重要性が少しは理解できたかと思います。
胸椎の柔軟性低下は全身に影響を及ぼすので、本日から、是非ご紹介したストレッチを取り入れてみてください。