丹田とは何か?具体的な機能と訓練方法

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皆さん、丹田(たんでん)をご存知でしょうか?「下腹部にあって、武術とかで大切と言われてて…」と、こんな感じのイメージがあると思います。でもこんなイメージはあっても、具体的にどういったものなのかなよく知らない、わからない人がほとんどです。そこで本日は丹田についてお話します。

丹田は3つある

丹田を事典で調べてみると

中国,道教に説く身体の部位の名。晋の葛洪の《抱朴子》では,両眉の間の3寸入った所を上丹田,心臓の下にあるのを中丹田,臍下(せいか)2寸4分にあるのを下丹田と呼び,この三丹田には,衣服を着,名前を持つ具象的な神である〈一〉が居り,この神を守ること,すなわち守一の道術が説かれる。北宋の中期ごろに起こった紫陽真人張伯端(987‐1082)の金丹道では,とくに臍下丹田が注目され,体内における不死の金丹の結実するところとされた。

引用元:世界大百科事典 第2版

とこのように書かれています。事典にも書かれているように、丹田は、頭にある上丹田。胸にある中丹田。そして世間一般でよく言われている丹田である下腹部にある下丹田と三つの部位に存在します。

丹田の正体とは?

一言で言うと意識。上丹田は頭の意識。中丹田は胸の意識。下丹田は下腹部の意識です。

上丹田の意識

上丹田は頭の真ん中あたりに存在します。より具体的に言うと、耳の穴の3㎝上の奥です。頭には脳がありますよね?つまり上丹田とは脳に対する意識のことを言います。

上丹田の意識が高まると脳の機能も高まることになり、集中力・洞察力・判断力が高まり、頭がシャープになると言われています。

そして中丹田や下丹田を統括制御する役割もあります。これはどういうことかと言うと、中丹田と下丹田の意識が高まると、その部位にある筋肉の機能が高まるので、脳が胸や下腹部の筋肉を操作しているとイメージした方がわかりやすいかと思います。

中丹田の意識

中丹田は胸の真ん中あたりに存在します。より具体的に言うと、バストの真ん中の奥です。胸の中には、筋肉で言うとインナーマッスルが存在します。つまり中丹田とは胸のインナーマッスルに対する意識のことを言います。

胸のインナーマッスルとは横隔膜(おうかくまく)・内外肋間筋(ないがいろっかんきん)・前鋸筋(ぜんきょきん)・胸横筋(きょうおうきん)などの筋肉です。

中丹田の意識が高まると、これらの筋肉の機能も高まるため、背骨・肋骨・肩甲骨がスムーズに動き、安定した呼吸ができるようになります。そして、精神面で言えば情熱的・行動的・積極的という前向きな姿勢になると言われています。

下丹田の意識

下丹田は下腹部に存在し、世間一般で言われる丹田とは下丹田のことを指します。場所は具体的に言うとへその指4本下の奥。ここには筋肉で言うとインナーマッスルが存在します。つまり下丹田とは下腹部のインナーマッスルに対する意識のことを言います。

下腹部のインナーマッスルとは大腰筋(だいようきん)・横隔膜(おうかくまく)・骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)・腹横筋(ふくおうきん)などの筋肉です。

 

下丹田の意識が高まることで、これらの筋肉の機能も高まることになります。これにより体幹が安定し股関節の動きがスムーズになるため、どっしりと安定した姿勢や動きを作ることができます。そして、精神面で言えば不動心(心が揺れ動かない。動揺することない。)・胆力・冷静沈着さをもたらすと言われてます。

丹田形成ワーク

上丹田形成ワーク

  1. 耳の穴より3cmほど上に指をあてます。指先の延長線上、頭の中に青い球体をイメージします。
  2. イメージできたら顔の前に指を立てます。指を凝視せず、指とその先にある壁を同時に認識するような見方をおこないます。

中・下丹田形成ワーク

中丹田・下丹田形成ワークは、以前書いた呼吸の記事にある胸式呼吸と腹式呼吸で形成することができます。詳細は下記の記事をご確認ください。

3つの呼吸法〝体幹のベースを作る〟

最後に

ご覧いただいた通り、三丹田が形成されると、姿勢や運動機能はもちろんのこと、脳の機能や精神的にも良い影響を与えることができます。身体の機能をトータル的に高めていきたい人は是非ワークを実践してください。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas