歩く・走る時に膝が痛い人はお尻を使っている【膝に負担をかけないようにする方法】

歩く・走る

歩く・走る時に「お尻を使った方が良い」という話をよく耳にします。

お尻の筋肉である大殿筋や中殿筋は股関節の動きを作り、安定させる筋肉なのでかなり重要な筋肉です。

ですが、それでお尻を意識しすぎる。もしくは無意識にお尻を使い過ぎていると膝に大きな負担をかけてしまいます。

一体どういう事なのか。

本日はお尻と膝痛の関係。そして歩く・走る時、膝に負担をかけないようにする方法ついてお話します。

お尻の筋肉の基礎解剖学

お尻には大殿筋・中殿筋・小殿筋と3つの筋肉があります。

その中でも特に有名かつ重要なのは大殿筋中殿筋です。

起始・停止

起始・停止とは筋肉が付着している場所のことを言います。

大殿筋

大殿筋の起始は仙骨と尾骨の外側からで、停止は大腿骨の外側に付着しています。

中殿筋

中殿筋の起始は腸骨の上辺りで、停止は股関節の外側の出っ張りの大転子に付着しています。

主な働き

大殿近

脚を後ろに伸ばす(股関節の伸展)、外に開く(股関節の外転)、外に回転させる(股関節の外旋)機能があります。

中殿筋

脚を外に開く(股関節の外転)、前側の筋繊維は内に回転させる(股関節の内旋)、後側の筋繊維は外に回転させる(股関節の外旋)機能があります。

お尻と膝痛の関係

基礎解剖学にも書いた通り、大殿筋と中殿筋は股関節を動かすときに機能します。

そのため日常生活やスポーツ、特に「歩く」や「走る」などの動きに多大なる影響を与え筋肉です。

ですがその分、過剰に使いすぎてしまうことがあり、疲労がたまりやすい筋肉でもあります。

大殿筋と中殿筋は同側のももの外側にある腸脛靭帯と繋がりがあり、使いすぎて疲労がたまり、固まってしまうと腸脛靭帯も一緒に固めてしまいます。

腸脛靭帯は固めるとランナーズニーと呼ばれる腸脛靭帯炎になる可能性が高くなり、酷い場合は何ヶ月も痛みが引かなくなることがあります。

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痛めるリスクを下げるためには大殿筋・中殿筋以外の筋肉に負担を分散させることが必要です。

負担を分散させる場所

ハムストリングスを機能させる

負担を分散させる先の筋肉は、裏もものハムストリングスです。

ハムストリングスは別名アクセル筋とも呼ばれ、その名の通り歩く・走る時にアクセルの役割をします。

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膝を痛めやすい人はこのハムストリングスが機能していないことが多く、その分大殿筋や中殿筋に負担が集中してしまい、うまく前に進むことができないうえに、膝に負担をかけてしまいます。

膝ではなくお尻よりの部分のハムストリングを機能させる

ハムストリングスは膝からお尻の坐骨に付着しており、膝を曲げる動きや股関節を伸ばす動きの時に使われます。

その中でも膝の負担を軽減させる場合は、股関節の動きの時に機能するハムストリングスのお尻よりの部分を使うことが必要です。

ハムストリングスのお尻よりの部分はアクセルの役割が大きうえに、体幹のインナーマッスルとも深い関係があるため、体幹を安定させ膝への負担を軽減させることができます。

ハムストリングスのお尻よりの部分と体幹のインナーマッスルの関係

体幹のインナーマッスルの中でも関係が深いのが大腰筋です。

大腰筋は股関節を曲げる時に機能し、その時、ハムストリングスのお尻よりの部分が伸びます。

そして股関節を伸ばす時にハムストリングスのお尻よりの部分が縮み、大腰筋が伸びます。

つまり両者は表と裏の関係にあるわけです。

ハムストリングスの機能を高めるワーク

ハムストリングスの機能を高めるには、大腰筋とセットに動かすと効果的です。

Before

ワークを始める前に、今の身体の状態を確認します。

まずは軽く歩いてみてください。歩きやすさや膝への負担のかかり方など覚えておきましょう。

体幹のクロスポイント

体幹にあるみぞおち/背中のクロスポイントで大腰筋。

股関節/お尻のクロスポイントで大腰筋とハムストリングスの機能を高めていきます。

その中でも特にハムストリングスの機能を高めたいので、股関節のクロスポイントでお尻を引いた後、ハムストリングスのお尻よりの部分をさすり、お尻のクロスポイントを触りながら体を起こしてください。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画をご確認ください。

クロスポイントの詳細な刺激方法

股関節/お尻のクロスポイントを使ってジャンプ

タイトル通り、股関節/お尻のクロスポイントを使って前に連続ジャンプします。

これおこなうことにより、ハムストリングスの機能をさらに高めることができます。

  1. 股関節を引いて裏ももを伸ばす。
  2. 股関節を伸ばし、お尻のクロスポイントを締めて前にジャンプする。
  3. 着地と同時に股関節を引いて裏ももを伸ばす
  4. そしてまた前にジャンプする。
  5. これを連続でおこなう。

幅を取り、なおかつハード目の種目なので、回数はスペースと体力、膝の状態を見ながら決めてください。

After

では再度歩いてみてください。

いかがでしょうか?先程よりも歩きやすく、膝への負担が軽く感じると思います。

このようにハムストリングスのお尻よりの部分を使えると前に進みやすくなり、体幹も安定するため膝の負担が軽くなります。

まとめ

  • 歩く・走る時にお尻を使いすぎると、「大殿筋・中殿筋→腸脛靭帯→膝」と繋がり、膝を痛めるリスクが高くなる。
  • ハムストリングスのお尻よりの部分は大腰筋と関係が深いため、機能させると体幹が安定し膝の負担が軽減する。
  • ハムストリングスの機能を高めるには、大腰筋とセットに動かすと効果的。

最後に

今回ご紹介したワークをおこなうタイミングは、出かける前や走る前におこなうのがベストです。

それは、動く直前にやった方がハムストリングスを使う感覚が残るので、その分素早く動けるようになり、膝痛のリスクも軽減させることができます。

もし可能なら、ぜひこのタイミングで実践してみてください。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas