専門家しかしらない?「ハムストリングス」の驚くべき3つの機能

股関節

去年と一昨年で計4回(1回は伴走。3回は個人的に)ほどフルマラソンを走りました。

はじめてのフルマラソンは2016年の湘南国際マラソン。昨日の記事で少し触れましたが、初出場ということもあり少し緊張して、25㎞地点で脚を攣ってしまい見事に撃沈(笑)。完走はしましたが後半はほとんど歩いてました。

動ける身体を作る。動ける人と動けない人ではここが違う!

この時攣ったのはふくらはぎ。多分地面を蹴ってたんでしょうね。

そして次に出走したのが2017年の板橋シティマラソン。ここでは脚を攣ることなく、最後まで走りきることができました。

湘南国際マラソンの時の一体何が違ったのか。もちろんいくつか要素がありますが、その中の1つが今回のテーマである「ハムストリングス」をしっかり機能させることができたからという点です。

ハムストリングスの基礎解剖学

前回の前鋸筋に引き続き、今回もはじめはお勉強からです(笑)

本にも載ってない?「前鋸筋」の驚くべき3つの働き

ワークの時に使っている筋肉の解剖学(筋肉がどこについてて、どのような機能があるか)を知ってるのと知らないのとで、ワークの効果がだいぶ変わってきます。完璧に覚えなくても、なんとなく知ってるだけで違うので、考えすぎずさらっと読んでいってください。

ハムストリングスとは3つの筋肉の総称

裏もものハムストリングスは3つの筋肉に分類されます。内側にある筋肉を半腱様筋(はんけんようきん)・半膜様筋(はんまくようきん)、外側にある筋肉を大腿二頭筋(だいたいにとうきん)と言います。

半腱様筋・半膜様筋の起始停止

起始停止(きしていし)とは筋肉が付着している場所のことを言います。半腱様筋・半膜様筋の起始は坐骨、停止は半腱様筋は膝よりのスネの内側、半膜様筋は膝関節近くのスネの内側に付着しています。

大腿二頭筋の起始停止

大腿二頭筋は名前の通り、長さが違う2つの筋肉、長頭と短頭があります。長頭の起始は坐骨、短頭の起始は大腿骨真ん中の裏側、停止は両方とも腓骨の外側に付着しています。

ハムストリングスの主な働き

ハムストリングス全体で言えば膝の屈曲(曲げる)と股関節の伸展(伸ばす)の2つです。

 

そして、半腱様筋・半膜様筋だけでみると、下腿の内旋(スネの内回転)と股関節の内旋(内回転)、

大腿二頭筋だけでみると下腿の外旋(スネの外回転)と股関節の外旋(外回転)をします。

ハムストリングスの驚くべき機能

基礎解剖学はネットで調べればすぐにわかる内容ですが、ここからは専門家しか知らないんでは?という内容です。

アクセル筋として働く

ハムストリングスの中でも、特に坐骨よりは歩く・走るのときにアクセルとして働きます。

冒頭でお話した湘南国際マラソンの時はここが使えず無駄な動きをしてしまった結果ふくらはぎを攣りました。ですが、板橋シティマラソンではハムストリングスが使えたため効率よく前に進むことができ、攣らずにすんだんだと思います。

膝の力を抜ける

膝に力が入るとももの表にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が優位に働きます。

大腿四頭筋は歩く・走るではブレーキとして働くため、止まろうと思って大腿四頭筋を使うのは良いのですが、大腿四頭筋が優位になりすぎると、前に進むためにアクセル筋であるハムストリングスを使いたいのに、大腿四頭筋が働いてしまい、思うように前に進むことができません。

この状態になると膝に負担をかけすぎてしまい、これが原因で膝を痛めてしまうことがあります。

ハムストリングスの膝よりの意識を高めることにより、膝付近の大腿四頭筋の力を抜くことができ、これを解消することができます。

体幹から下半身の安定に繋がる

ハムストリングスは体幹のインナーマッスルである、大腰筋(だいようきん)と連鎖して機能します。ちなみに大腰筋と連鎖するのは、先程と同じハムストリングスの坐骨付近。

「達人の筋肉」大腰筋の驚くべきメカニズム【大腰筋を鍛える5つのトレーニング】

大腰筋はその他の体幹のインナーマッスルと連鎖して機能するため、ハムストリングスが機能すれば体幹のインナーマッスル全てが機能します。そのため、身体に軸が通りやすくなり体幹と下半身の安定感が増します。

ハムストリングスの機能を高める

前鋸筋と同様、ハムストリングスも素晴らしい機能を持っているので、しっかり使えるようにしましょう。

クロスポイント

ハムストリングスに直接関係するのはお尻や膝裏上のクロスポイントです。ですが、ハムストリングスと関係の深い筋肉も機能させた方がハムストリングスの機能もさらに高まるので、みぞおち/背中や股関節、膝裏も刺激していきましょう。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

LINE@登録者は限定動画と合わせてご確認ください。

クロスポイントの詳細な刺激方法

割膝

この種目でハムストリングスと、ハムストリングスと関係の深い内転筋や大腰筋の機能も高めていきます。

  1. 足は前後に開き、骨盤は前を向け、後ろ足は伸ばす。
  2. 前足の膝を軽く曲げ、みぞおち(へそから指4本上)の力を抜き、丸めていく。
  3. その状態で内転筋とハムストリングスを叩く。

四股立ちで内転筋・ハムストリングス叩き

割膝は縦の動き。四股立ちは横の動きでハムストリングス・内転筋・大腰筋の機能を高めていきます。

  1. 脚を肩幅の2倍に広げ、つま先をハノ字にする。この時みぞおちは丸め、お尻の穴を真下に向けておく。
  2. その体勢のまま軽く股関節を曲げお尻を下に落とす。
  3. その状態で内転筋やハムストリングスを叩く

LINE@登録者は割膝・四股立ちの両ワークとも限定記事と合わせてご確認ください。

股関節と下肢の機能を高めるワーク

最後に

ハムストリングスは結構メジャーな筋肉なので、なんとなく使いやすそうに感じると思うんですが、意外と使えてない人が多いんですよね。ワークをやりつつ、その他のトレーニングで感覚を作って、しっかり使えるようにしていきましょう!

「整体+運動」のSPTパーソナルトレーニング

施術や運動指導は、

  1. 週3-4回立川
  2. 出張で月に数回「中目黒・自由が丘・錦糸町・横浜」

で実施しています。

詳細は専用ホームページをご確認ください。

https://www.spt-shiba.com/

SNS、YouTube

フォローはお気軽に!

解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas