走る時に肩甲骨を寄せてはいけない【大事なのは脇を効かせること】

歩く・走る

運動指導の現場にいると、ウォーキングやランニングの指導で「肩甲骨を寄せて胸を張りながら歩く or 走るように」とアドバイスしている場面を見かけます。

私も昔はそういった指導をしてましたし、自分でも実際に肩甲骨を寄せて胸を張りながら走っていた時期もありました。

確かにこのような走り方をしていると、視界は広がりフォームが綺麗に見えます。

ですが、この意識での走り方は首や肩がコリ、呼吸が苦しくなるため長持ちしません。これではパフォーマンスが下がってしまいます。

肩甲骨を寄せて胸を張ることで使われる筋肉

肩甲骨を寄せると僧帽筋菱形筋。胸を張ると脊柱起立筋が緊張します。

上記の画像を見ていただくとわかると思いますが、これらの筋肉は首・肩コリや腰痛を引き起こす筋肉です。

そして僧帽筋が緊張すると呼吸も苦しくなります。それは僧帽筋は三角筋→大胸筋→腹直筋と繋がっているため、僧帽筋が緊張すると腹直筋も緊張し、肋骨を閉じてしまうからです。

脇を効かせると走りやすくなる

脇を効かせるとは、つまり脇に力が入った状態です。

脇には体幹をうまく使うための筋肉が集合しています。

まず1つ目が前鋸筋です。前鋸筋は脇腹の外腹斜筋と反対側の内腹斜筋と繋がりがあります。

外腹斜筋・内腹斜筋は肋骨から骨盤に付着しているため、この筋肉を使えると体幹を使って腕をふることが出来ますし、体幹の回旋動作もスムーズになるため、効率よく走ることが出来ます。

そして2つ目が広背筋です。広背筋は反対側の大殿筋と繋がりがあります。

広背筋は上腕骨から肩甲骨・肋骨・骨盤に付着し、大殿筋は骨盤から大腿骨に付着しています。これらの筋肉が使えると肩甲骨の動きから体幹の回旋、そして地面を蹴る動きも作り出してくれるので、全身を使って走ることが出来ます。

前鋸筋と広背筋を機能させるには、脇に力が入るように訓練しなければなりません。

更に脇を効かせやすくするには足裏のツボを刺激する

脇を効かせるには、脇に直接アプローチする以外にも別の方法があります。

それは足裏のツボを刺激することです。

足裏の真ん中には長腓骨筋と呼ばれる足裏の外側のアーチを作る筋肉が付着しています。

実は長腓骨筋は、前鋸筋・広背筋と繋がりがあり、足裏のツボを刺激することで長腓骨筋から前鋸筋と広背筋に刺激を入れることが出来ます。

詳細は下記をご確認ください。

前鋸筋との繋がり

長腓骨筋

腸脛靭帯/大腿筋膜張筋

内腹斜筋

反対側の外腹斜筋

前鋸筋

広背筋との繋がり

長腓骨筋

腸脛靭帯/大腿筋膜張筋

大殿筋

広背筋

脇を効かせるワーク

脇に直接アプローチするのをメインにおこない、補助的な意味合いで足裏のツボを刺激します。

脇ほぐし

脇をほぐして機能しやすい状態を作ります。

  1. わきのくぼみに親指を当てて、後ろ側に4本の指を当ててわきを摘む。
  2. 腕をおろし、わきをほぐす。

脇に刺激を入れる

脇を触ったまま腕を前後に各5回ずつ回す。

脇を締める

  1. わきを閉じて肘を曲げ肩を下げる。
  2. そこから前腕を外に開き、脇を締める。
  3. これを10回繰り返す。

 足裏のツボを刺激する

指を除いた足裏の真ん中を両手で押さえて、グーパーを10回おこなう。

脇に刺激を入れると、足裏のツボを刺激するは動画があるので、そちらも参考にしてください

クロスポイントの詳細な刺激方法

まとめ

  • 肩甲骨を寄せて胸を張って走ると、首肩コリや腰痛を引き起こす可能性が高い。
  • 脇を効かせると体幹から下肢まで繋げて使えるため、効率の良い走りができる。
  • 脇と関係の深い足裏のツボを刺激すると更に効果的。
  • 脇を効かせる4つのワークをおこなうと走りやすくなる。

最後に

脇をきかせて走ることができると、胸を張った状態でも疲れにくく走ることができます。
同じ走り方であってもどの筋肉をメインに使っているかで、疲れやすさが変わるのです。

怪我なく効率の良い走りができるように、ご紹介した4つのワークを是非お試しください。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas