柴です。
膝の内側の痛みである鵞足炎(がそくえん)に関して質問をいただき、触れた内容は以前書きましたが、
特化した記事を書いてなかったので、今回は鵞足炎の詳細や対処方法についてお話します。
「ランナー膝を解消する方法とは?」で鵞足炎についても書いてあるので、参考にしてください。 #peing #質問箱 https://t.co/1cYFd2oGOK
— 柴 雅仁@治療家パーソナルトレーナー (@PT_shiba) December 24, 2018
目次
鵞足炎とは?
膝の内側にある鵞足(がそく)は、膝関節のすぐ下にあるすスネにつながっている3つの筋肉(半腱様筋・縫工筋・薄筋)で構成されています。
この部分に炎症が起きる事を鵞足炎と呼びます。
鵞足炎の原因
主に言われる原因は、過度な運動による膝の使いすぎです。
これは、確かに間違いではなく、膝関節を過度に使えば、膝関節をまたいで付いている3つの筋肉に負担がかかることはあります。
でもですね。
同じ体格。同じ運動量をやっていても、鵞足炎になる人と、なりづらい人がいるのです。
その差は一体なんなのか。
それには、様々な要素が関係してきますが、特に関係しているのが身体の使い方です。
鵞足炎になる人の動き
鵞足炎になる人の特徴として、よくある使い方は、膝を曲げた時に、膝がつま先より内側に入る以下の画像の動き。
この動きはニーインと呼ばれ、ランニングやジャンプ。切り返しなどの方向転換などをやる時に、この動きをし続けていると、鵞足に負担がかかり過ぎてしまうため、鵞足炎になってしまうのです。
そして、この動きを作り出す筋肉は、鵞足にある3つの筋肉とは違う、別の部位にあります。
その筋肉とは、太ももの外側にある腸脛靭帯と、裏ももの外側にある大腿二頭筋です。
まず腸脛靭帯は、大腿骨を内側に捻ります。
そして、大腿二頭筋はスネを外側に捻るので、見た目でいうと、下記の画像のような感じになるのです。
この2つの筋肉には、このような機能があるため、過度に使いすぎてしまうと、ニーインからの鵞足炎になってしまいます。
そして鵞足炎になりづらい人は、逆に大腿骨を外側に、そしてスネを内側に捻る筋肉が機能しているため、鵞足炎になりづらいです。
鵞足炎になりづらい人の動き
まず、大腿骨を外側に捻る筋肉は、股関節のインナーマッスルの大腰筋です。
そして、スネを内側に捻る筋肉は、裏ももの内側である、内側ハムストリングス(半腱様筋・半膜様筋)です。
半腱様筋は鵞足を構成する筋肉の一部ですが、ここが機能しないことも、鵞足炎になってしまう要素の1つになります。
これらが機能するとこんな感じに。
ご覧の通り、とても安定していますよね。
このように、これらの筋肉が機能すれば、膝の負担が少なくなり、鵞足炎になりづらくなるのです。
鵞足炎を予防・緩和するワーク
大腰筋と内側ハムストリングスを機能させます。
みぞおち/背中のクロスポイント
クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。
みぞおち/背中のクロスポイントワークで、背骨を触り動かすと、その背骨に付着する大腰筋の機能を高めることができます。
- へそから指4本上のみぞおちと、反対側の背骨を触る。
- その背骨を、丸めたり起こしたり・横に倒したり・捻ったりして、各3〜5回動かしていきます。
股関節/お尻のクロスポイントで内側ハムストリングスをさする
股関節/お尻のクロスポイントワークを行うだけで、大腰筋と内側ハムストリングスを機能させられますが、内側ハムストリングスへの刺激が少し弱いため、さすって、さらに強い刺激を入れていきます。
- 足を腰幅に開き、つま先を前に向ける。
- 鼠径部(恥骨の横)を触りながら股関節を曲げてお尻を後ろに引く。この時、裏ももが伸びているのを感じる。
- 内ももに手を当て、裏ももも一緒に触りつつ、上下にさすっていく。
- 内ももが、摩擦で熱を持ってきたら、さするのをやめて、お尻のほっぺと裏ももの境目にある坐骨を触りながら、身体を起こす。
- この流れを5回繰り返す。
- 終わったら、再度股関節を曲げる。
- この時に、内ももを触ってないのに、内ももを使ってる感覚があるか確認する。
この一連の流れをおこなうことで、大腰筋と内側ハムストリングスを繋げて使う事ができます。
そして、更に刺激を入れるために、大腰筋を使いつつ、内側ハムストリングスを叩くトレーニングに入ります。
割膝
- 足は前後に開き、骨盤は前を向け、後ろ足は伸ばす。
- 前足の膝を軽く曲げ、みぞおち(へそから指4本上)の力を抜き、丸めていく。
- その状態で内側ハムストリングスを叩く。
こちらも、詳細なやり方はLINE@登録者限定動画でご確認ください。
まとめ
現在、鵞足炎で痛みがある人も、過去になったことがあって、今後ならないように予防したい人も、これらのワークをおこなうことで、今よりも良い状態を作ることができます。
そしてこのワークは、鵞足炎でなくても、膝の内や外に痛みがある人には効果的なので、膝の痛みでお悩みの人もぜひ試してみてください!
【今日の記事のまとめ】
- 鵞足炎とは、膝の内側にある鵞足に炎症が起きる事を言う。
- 鵞足炎の原因は、主に過度な運動による膝の使いすぎと言われている。
- ただ、同じ運動量でもなる人となりづらい人がいるが、その差は身体の使い方にある。
- 鵞足炎になる人は、腸脛靱帯や大腿二頭筋。なりづらい人は、大腰筋や内側ハムストリングスが使えている。