みぞおちに力が入ると、なぜ体幹がブレてしまうのか?

体幹

私は基本的にトレーニング中みぞおちに力を入れないように指導をしています。それは体幹トレーニングの時も同じ。みぞおちの力を抜きながら体幹トレーニングをおこなってもらいます。

先日あるお客様に体幹トレーニングの指導をしていた時にこんなご質問をいただきました。

「なんでみぞおちに力が入るとブレるんですか?」

そのお客様は身体の感覚が鋭い方なので、みぞおちに力が入った瞬間にブレたのがすぐわかったようです。

なぜ体幹がブレてしまうのか?

みぞおちには腹直筋(ふくちょくきん)と呼ばれる腹筋があります。そして腹直筋はある筋肉と連鎖して機能します。それは首の前にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)、ももの表の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、スネの前にある前脛骨筋(ぜんけいこつきん)です。これらの筋肉は全て身体の前面にあります。

身体の前面の筋肉が優位になると、その筋肉のライン上に軸ができます。ブレた時はその軸を支点に動くので、下記画像右のような動きをします。これではブレ幅が大きいので、今いる位置から大きく外れてしまいますよね。これがブレる理由です。

それに対してみぞおちの力を抜いた姿勢は、横隔膜(おうかくまく)や大腰筋(だいようきん)といったインナーマッスルが優位になります。

そもそもインナーマッスルって何?【インナーマッスルの特徴と機能を高める方法】

この2つの筋肉はその他のインナーマッスルと連鎖して機能するため、みぞおちの力を抜くとインナーマッスル優位の身体になります。

インナーマッスルは骨に近い位置を走行しているため、インナーマッスルが優位になると身体の中に軸が通ります。そのため、たとえブレたとしても、ブレ幅が最小限に抑えられるため、今いる位置から大きく外れることはありません。

体幹がブレないようにするためのワーク

下記の種目をおこなう前後に腹筋の感覚を確かてめください。うまくいっていれば「腹筋の抜け感」が出てきます。

腹筋をゆるめる

呼吸を使いながら腹直筋をゆるめていきます。

  1. 仰向けに寝転がり膝を立てます。
  2. 「へそから指4本分上のみぞおち、へその上下左右、へそから指4本下の下腹部」この3点を指で押して、痛い所・固い所がないか調べます。
  3. 痛い所・固い所が見つかったら、そこをゆるめるイメージで息を吸って膨らまし、吐いて元に戻します。
  4. これを痛みや固さが減るまで繰り返していきましょう。

インナーマッスルを優位にする

身体の中に軸を通すため、インナーマッスルを優位にします。体幹と特に関係しているわき、みぞおち/背中、股関節/お尻のクロスポイントでインナーマッスルを活性化させましょう。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

※参考書籍:人体のスイッチ

わきのクロスポイント

わきの下にある前鋸筋(ぜんきょきん)の機能を高めます。この筋肉は、わき腹の筋肉である外腹斜筋(がいふくしゃきん)と反対側の内腹斜筋(ないふくしゃきん)と連鎖し体幹部を安定させます。これらの筋肉は見た目で言えば表面上についてるためアウターマッスルですが、インナーマッスルである腹横筋(ふくおうきん)と連鎖するため、しっかりと機能させます。

みぞおち/背中のクロスポイント

横隔膜(おうかくまく)や大腰筋(だいようきん)の機能を高めます。この筋肉が機能すると、その他の体幹のインナーマッスルも連鎖して機能するようになるため、とても重要な部位になります。

股関節/お尻のクロスポイント

みぞおち/背中でもご紹介した大腰筋と腸骨筋(二つ合わせて腸腰筋)の機能を高めます。そしてお尻のクロスポイントで裏ももの筋肉であるハムストリングスや大内転筋を機能させます。この筋肉も見た目はアウターマッスルですが、ハムストリングスは大腰筋と表裏関係にありますし、大内転筋は腸腰筋と連鎖するため、しっかりと機能させます。

最後に

みぞおちはとても力が入りやすい筋肉のため、なかなか力が抜けないと思います。ですが、これらのワークをおこなった後だと、腹筋に「抜け感」が出てくるので、その感覚をしっかり覚えて、体幹トレーニング中もその抜け感を消さないように訓練していきましょう。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas