足関節捻挫の原因と予防【パーソナルトレーナーがお勧めする9つの予防トレーニング】

足首・足裏

スポーツ安全協会の調査によると、スポーツ障害の中で最も多いのが捻挫。

引用元:スポーツ安全協会要覧

9割以上のスポーツ選手が捻挫を経験しているとも言われており、中には何度も繰り返して捻挫癖になっている人も少なくありません。

そこで本日は、スポーツ障害で最も多い捻挫を少しでも減らせるように、足首を安定させるトレーニング方法についてお話します。

原因

足関節捻挫の中で特に多いのが足首を内側にひねる内反捻挫。

足関節には、前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)・踵腓靭帯(しょうひじんたい)・後距腓靭帯(こうきょひじんたい)の総称である外側靭帯のほか、内側の三角靭帯(さんかくじんたい)や、前方の前脛腓靭帯(ぜんけいひじんたい)、後方の後脛腓靭帯(こうけいひじんたい)といった靭帯があります。

関節をひねった方向によって、損傷が起こる靭帯は異なりますが、特に外くるぶしの前方に位置する前距腓靭帯に損傷が起こることが多いとされています。

内反捻挫は、サッカーやバスケットボールなど、急な方向転換時やジャンプの着地、相手選手との接触した時。その他階段や段差につまづいた時などスポーツから日常生活中まで様々な状況でおこります。

症状

内反捻挫により、前距腓靭帯をはじめとする外くるぶし周辺の靭帯を損傷した場合、外くるぶしの前や下の部分に腫れや痛みが生じます。

また、損傷部位に熱感や皮下出血が生じることもあり、このような症状が現れている場合は、なるべく早く整形外科や整骨院などを受診することをお勧めします。

予防するために鍛える必要がある筋肉

捻挫後の対処法によっても変わってきますが、捻挫が完治しても一度伸びきってしまった靭帯は元に戻らないため、足関節は不安定になります。

それをカバーするためには足関節周りの筋力をつけることも必要ですが、並行して膝や股関節、体幹周りの筋力もつける必要があります。(その理由は後述します)

その筋肉とは長腓骨筋・後脛骨筋・ハムストリングス・大内転筋・大腰筋です。

足関節

長腓骨筋と後脛骨筋はスネ周りの筋肉で、長腓骨筋はスネの外側から足裏。後脛骨筋はスネの内側から足裏に付着しています。

この2つの筋肉は足裏のアーチを作り、足首周りを安定させます。

ハムストリングスと大内転筋は大腿部の筋肉で、坐骨から膝に付着しています。

下肢の安定性を作る筋肉なので、関節的に足首の安定感を高める事ができます。

股関節と体幹

大腰筋は体幹の筋肉で、みぞおちの反対側にある背骨から股関節に付着しています。

大腰筋が機能すると体幹が安定し、股関節の動きがスムーズになるため、こちらも関節的に足首の安定感を高める事ができます。


これらの筋肉は大腰筋を起点にこのように連鎖します。

  • 大腰筋 → 大内転筋・ハムストリングス内側 → 後脛骨筋
  • 大腰筋 → ハムストリングス外側 → 長腓骨筋

大腰筋で股関節の動きを作り、筋連鎖によりハムストリングスや大内転筋が機能し下肢が安定。そこからさらに長腓骨筋・後脛骨筋に連鎖し足首を安定させる。

人間は1つの関節だけ動かして生きていません。全身で265個もある関節を状況に合わせて動かしています。

つまり、捻挫をしてリハビリでどんだけ長腓骨筋や後脛骨筋、その他足首周りの筋肉をトレーニングしても、1つの関節だけの強化じゃほとんど意味がないということ。

関連する筋肉を組み合わせてトレーニングをし、複数の関節を動かした時に足首が安定する状況を作ってはじめて意味のあるものになります。

足関節捻挫の予防トレーニング

Before

足関節の安定感が増しているのかを確認するために、ワークの前にで片足立ちや、後ろ足を浮かせた片足スクワットをおこなってみてください。

体幹と下肢のクロスポイント

クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。

体幹と下肢クロスポイントにあるみぞおち/背中、股関節/お尻、膝裏上、膝裏、アキレス腱、足裏の8ヶ所計6種目のクロスポイントワークをおこない、長腓骨筋・後脛骨筋・ハムストリングス・大内転筋・大腰筋の機能を高めます。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画をご確認ください。

クロスポイントの詳細な刺激方法

割膝

上記クロスポイントワークで刺激した筋肉を繋げて機能させます。

  1. 足を前後に開き、骨盤は前、後ろのつま先は斜め前に向ける。
  2. 前足の膝を軽く曲げ、みぞおち(へそから指4本上)の力を抜き、丸めていく。
    その状態で内転筋群とハムストリングスを叩く。

四股立ち

割膝は縦の動き。四股立ちは横の動きでクロスポイントワークで刺激した筋肉の機能を高めていきます。

  1. 脚を肩幅の2倍に広げ、つま先をハノ字にする。この時みぞおちは丸め、お尻の穴を真下に向けておく。
  2. その体勢のまま軽く股関節を曲げお尻を下に落とす。
  3. その状態で内転筋群やハムストリングスを叩く。

割膝・四股立ちの詳細はLINE@登録者限定動画でご確認ください。

股関節と下肢の機能を高めるワーク

片足スクワット

クロスポイントワークで刺激した筋肉を、より日常やスポーツに近い形で使えるように練習します。

  1. みぞおちの力を抜きながら、前足の股関節/お尻のクロスポイントを触る。
  2. 膝の力を抜きながら股関節を曲げてしゃがむ。この時ハムストリングスを意識する。
  3. 膝が前に突っ込んだり、内に入ったりしないように股関節を伸ばし、坐骨を締めながら立ち上がる。

After

では、再度片足立ちや、後ろ足を浮かせた片足スクワットをおこなってみてください。

いかがでしょうか?先ほどより安定感が増しているのがわかると思います。

5つの筋肉を刺激することで捻挫を予防する事ができるので、ぜひご紹介したトレーニングを実践してみてください。

まとめ

  • 捻挫はスポーツ障害で最も多い。
  • その中でも内反捻挫で前距腓靭帯を損傷する事が多い。
  • 予防するためには長腓骨筋・後脛骨筋・ハムストリングス・大内転筋・大腰筋の機能を高める必要がある。
  • 9つのトレーニングで足関節捻挫を予防する。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas