「腰痛」と聞くと、腰やお尻の筋肉が固まるイメージがあると思います。
ですが、その固さを作る原因の1つに、足首の柔軟性が関係していることはあまり知られていません。
そこで本日は足首の固さと腰痛の関係についてお話します。
目次
足首と腰の関係
足首の固さはスネにある前脛骨筋が固まることで引き起こされます。
前脛骨筋はつま先を上げる働きがありますが、その他にスネを前方に引っ張る働きもあるため、前脛骨筋が固まると、スネが前に傾きます。
すると、それに合わせて身体の重心位置が前方に移動するため、そのバランスをとるために腰を反ります。
腰を反ると、必要以上に腰の筋肉が緊張するため、これが影響して腰痛を引き起こすのです。
このように、足首の固さからの連鎖で腰痛に繋がることがあるので、このパターンの場合は前脛骨筋の緊張を緩めて、負担を他の筋肉に分散する必要があります。
前脛骨筋はみぞおちで緩める
前脛骨筋のゆるめ方はいくつかあり、もっともベーシックなのは、直接ほぐすことです。
ただ、今回のケースの場合は、前脛骨筋を直接ではなく、みぞおちを緩めることをお勧めします。
その理由は2つあります。
みぞおちを緩めて方が良い理由①:前脛骨筋と腰が緩む
1つ目の理由は、みぞおちは前脛骨筋と腰の2部位と繋がりがあるからです。
みぞおちにある腹直筋は、太ももの大腿四頭筋を介して、前脛骨筋と繋がりがあります。つまり、前脛骨筋が固まると、みぞおちも固まるのです。
そして、みぞおちには脇腹の外腹斜筋もあり、外腹斜筋は腰にある筋膜と繋がりがあるため、みぞおちが固まると、腰も固まります。
みぞおちを緩めて方が良い理由②:近くに負担を分散できるインナーマッスルがある
みぞおちの奥の背骨には、インナーマッスルである横隔膜や大腰筋が付着しています。
この2つの筋肉は腰を安定させる機能があるため、みぞおちが緩むと横隔膜と大腰筋が機能し、腰痛の予防改善に繋がります。
そして更に、横隔膜と大腰筋は、後述する前脛骨筋にかかる負担を分散させた先にある筋肉と繋がりがあるため、横隔膜と大腰筋が機能すると、前脛骨筋がゆるみ、足首が柔らかくなります。
坐骨から足裏までを刺激するとさらに効果的
前脛骨筋が固まると重心位置が前方に移動するため、膝が伸びきって、太ももにある大腿四頭筋に力が入ります。
まず坐骨から膝裏にあるハムストリングスと膝窩筋が機能すると、膝が曲がりやすくなり、大腿四頭筋の緊張が緩みます。
すると、重心位置が後ろに下がるため、腰も丸まり、腰痛の解消にも繋がります。
さらに膝裏から足裏までにあるヒラメ筋や後脛骨筋、長腓骨筋が機能すると、前脛骨筋にかかる負担が分散されるため、前脛骨筋が緩み、重心位置が後ろに下がったままを維持することができます。
ちなみに、ここにあげた筋肉が、先程書いた横隔膜・大腰筋と繋がりのある筋肉です。
足首を柔らかくして腰痛の予防改善をする
Before
これからいくつかのワークをご紹介するのですが、その前に今の足首と腰の状態を確認します。
足首は、しゃがんでみて柔軟性を確認します。そして腰は前屈や後屈をして腰の張り感や痛みを確認します。
確認できたら下記のワークをおこないましょう。
クロスポイント
クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。
体幹と下肢にあるクロスポイントを刺激することで、先程あげた横隔膜・大腰筋・ハムストリングス・膝窩筋・ヒラメ筋・後脛骨筋・長腓骨筋の機能を高めることができます。
詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画をご確認ください。割膝
このワークで、横隔膜・大腰筋・ハムストリングスに強めの刺激を入れることで、腰痛の予防改善の効果を更に高めていきます。
- 足を前後に開き、骨盤は前、後ろのつま先は斜め前に向ける。
- 前足の膝を軽く曲げ、みぞおち(へそから指4本上)の力を抜き、丸めていく。
その状態でハムストリングスを叩く。
詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画でご確認ください。
After
では、再度しゃがむのと前屈・後屈をおこなってみてください。
いかがでしょうか?先程よりしゃがみやすくなり、前屈と後屈時の腰の張り感や痛みが軽減して、やりやすくなっていると思います。
このように、足首の固さと腰は関係しているので、腰痛でお悩みの方は是非ご紹介したワークを試してみてください。
まとめ
- 前脛骨筋が固いと足首が固くなり、その影響で腰に負担をかける。
- 前脛骨筋を緩めるには、2つの理由からみぞおちを緩めた方が良い。
- 坐骨から足裏にある筋肉の機能を高めると、前脛骨筋の負担が軽減し、腰痛の予防改善に繋がる。