腰痛は「長時間座っている」「重い物を持つ」など、腰に直接負担をかけるからなるものだと思われている方が多いと思います。
ですが、こういった肉体的ストレス以外にも精神的ストレスで腰痛になるパターンの方も結構多いです。つい先日診させていただいた方もそうでした。
そこで本日は精神的ストレスによる腰痛とその解決方法についてお話します。
神経の分類
神経は大きく分けて2つに分類されます。中枢神経と末梢神経です。
中枢神経とは、その名の通り神経系の中枢にあたる部分で、脳と脊髄にあります。
末梢神経は中枢神経から枝分かれして全身に広がる神経で、体性神経と自律神経があります。
体制神経とは自分の意思で制御できる神経で運動や感覚に関わります。
自律神経とは自分の意思では制御できない神経で内臓や血管の働きを支配しています。
この2つの神経の中でもストレス性腰痛に深く関係してくるのは自律神経です。
ストレスにより反応する臓器
自律神経は交感神経と副交感神経に分類されます。
この2つの神経の特徴は以下の通り
- 交感神経は心身の緊張や興奮
- 副交感神経はリラックス
この中で特に関係してくるのが交感神経です。
ストレス性腰痛は交感神経が優位になると引き起こされます。
人間関係や金銭面など精神的にストレスがかかると交感神経が優位になり、背部にある内臓の副腎が反応します。
副腎とは腎臓の上に乗っている臓器のことで、背骨でいうと、みぞおち(へそから指4本上)の反対側にある胸椎12番・腰椎1番の横に存在します。
副腎は外側の皮質と内側の髄質の2つに分けられ、皮質からはコルチゾール、髄質からはアドレナリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
コルチゾール
血糖値を上げるホルモン。糖尿病になるリスクも高まります。
アドレナリン
血管を収縮させ心拍数は増加させるホルモン。高血圧や動脈硬化のリスクが高まります。
精神的ストレスで腰痛にまでなる方は、ストレスが相当強いか慢性的にストレスがかかっているかのどちらかです。このような状況になると副腎は過活動状態になるため、下にある腎臓にも影響を及ぼします。
筋肉や骨への影響
腎臓の周辺組織を包み込んでいる腎筋膜(じんきんまく)は、腰周りの筋肉である大腰筋・腰方形筋・腹横筋に影響を与えます。
これら3つの筋肉は腰の背骨である腰椎や骨盤に付着しているため、ストレスをうけると
副腎
↓
腎臓
↓
3つの筋肉
↓
腰椎・骨盤
といった流れで影響を受け、腰痛を引き起こします。
ストレス性腰痛の解決策
根本的な解決策はそのストレスの原因と向き合い、対処することなんですが、それがなかなかうまくいかないのが現実。そのため、下記のワークで副腎・腎臓や関係する筋肉や骨をゆるめていきます。
みぞおちを膨らます呼吸
みぞおち呼吸は反対側の背中を膨らます意識でおこなうと、副腎・腎臓と大腰筋にアプローチをかけ、ゆるめることができます。
- 床か椅子に座る。
- へそから指4本上のみぞおちと反対側の背中を触る。
- みぞおちと反対側の背中を膨らますように呼吸を10回おこなう。
腹式呼吸
腹式呼吸は腰方形筋や腹横筋、腰椎や骨盤をゆるめることができます。
- 仰向けに寝転がり膝を立てる
- へその指4本下に手を当てて、息を吸ってお腹と反対側の腰を膨らます。吐いて元に戻す。
- これを10回おこなう。
体幹のクロスポイント
クロスポイントとはインナーマッスルを機能させるツボみたいなもの。
体幹にあるみぞおち/背中のクロスポイントで副腎・腎臓と大腰筋の背骨側。
股関節/お尻のクロスポイントで大腰筋の股関節側を動かし、ゆるめていきます。
詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画でご確認ください。まとめ
- ストレスがたまると交感神経優位になり、副腎の活動が活発になる。
- 副腎は腎臓に影響を与え、腎臓の筋膜は腰周りの筋肉である大腰筋・腰方形筋・腹横筋に影響を与える。
- ストレス性腰痛の根本的な解決策は、そのストレスの原因と向き合い対処すること。だが、それがなかなかうまくいかないのが現実なので、対処療法として副腎・腎臓や関係する筋肉や骨をゆるめていく。
最後に
このようにストレスと腰痛は密接に関係しています。慢性的にストレスがかかっている方は腰痛も慢性化するので、なかなか治らない方はもしかしたらストレスが原因かもしれません。お悩みの方はぜひ今回ご紹介したワークを試してみてください。