腰も膝もどちらも痛い…。
そんな悩みをお持ちの方は、もしかしたら2つの部位に影響を与えるある筋肉が固まっているのかもしれません。
その筋肉とはお尻の外側にある中殿筋です。
目次
中殿筋の基礎解剖学
中殿筋の起止停止
起始停止とは筋肉が付着している場所のことを言います。
中殿筋の起始は腸骨の上あたりで、停止は股関節の外側の出っ張りの大転子に付着しています。
中殿筋の主な働き
主な働きは脚を外に広げる動き(股関節の外転)。そして中殿筋の前側の筋繊維は股関節の内回転(内旋)、後側の筋繊維は股関節の外回転(外旋)の時に機能すると言われています。
中殿筋と腰・膝の関係
中殿筋と腰・膝の繋がりは2パターンあります。
筋連鎖①
中殿筋は骨盤・ももの外側にある筋肉、そしてお尻のほっぺの大殿筋と筋肉の膜で繋がっています。
ももの外側にある筋肉は膝に付着しているため、「中殿筋 → ももの外側の筋肉 → 膝」と流れ、膝に影響を与えますし、
大殿筋は反対側の腰・背中の広背筋と繋がってるため、「中殿筋 → 大殿筋 → 反対側の広背筋」と流れ、腰に影響を与えます。
筋連鎖②
まず膝に影響を与える流れは筋連鎖①と同じです。
腰への流れだけが違い、筋連鎖②では、反対側ではなく同側の腰に影響を与えます。
中殿筋は同側のわき腹の筋肉と筋肉の膜で繋がり、わき腹は腰の筋肉と繋がっています。
つまり「中殿筋 → わき腹 → 腰」と流れ、腰に影響を与えます。
腰痛と膝痛をまとめて改善する
中殿筋ほぐし
中殿筋をほぐして、腰痛と膝痛をまとめて改善します。
まずは前屈や後屈で腰の状態を。屈伸で膝の状態を確認して下さい。
- 腰骨とその下にある骨の出っ張り(大転子)の間が中殿筋なので、まずは場所を確認する。
- そこに親指を当てて指圧。もしくは横向きに寝転がり、テニスボール等を中殿筋にあてる。
- 痛みやすい場所なので、痛すぎない程度に圧は調整する。
内転筋群の機能を高める
中殿筋と反対の働きをする内転筋群に刺激を入れると、間接的に中殿筋をゆるめることができます。
- 足を肩幅の2倍に広げ、つま先を斜め45°外に向ける。
- みぞおちを丸め、骨盤を立てる。
- その状態でお尻を後ろに引き、下に降ろす。
- その状態で内ももを叩く。
詳細はLINE@登録者限定動画にある「四股立ち」をご確認ください。
中殿筋を左右両方ほぐし、内転筋群を左右両方刺激し終わったら、再度前屈や後屈、屈伸をしてみてください。いかがでしょうか?先程よりも膝や腰が軽くなっていると思います。
まとめ
- 腰と膝がどちらも痛い人は中殿筋が固まっている可能性が高い。
- 中殿筋と腰・膝は筋肉の膜で繋がっている。
- 中殿筋を親指で指圧。もしくはテニスボールをあててほぐす。
- 内転筋群に刺激を入れても中殿筋はゆるむ。
最後に
中殿筋は腰にも膝にも影響を与える筋肉です。そのため、どちらか一方が痛い人ももしかしたら固まっているかもしれません。
痛みがある人は、状態を確認しながら定期的にほぐしと、内転筋群の刺激をおこなって下さい。