加齢や体重の増加に伴い発生する変形性膝関節症。
「ひざ痛の8割は変形性膝関節症」と言われるくらい多い疾患です。
そのため、私の周りでも悩まれてる方が多くいます。
そこで今回は、変形性膝関節症の方が、1日でも早く痛みから解放されるように、病院や治療院での治療やリハビリ以外に、自分でできるリハビリ方法をご紹介します。
記事の前半に変形性膝関節症の概要。後半にリハビリ方法が記載してあります。
前半の概要でどういう疾患なのか理解していただけると、後半のリハビリがやりやすくなり、実践した時の効果が変わってくるので、じっくりと読み進めてください。
目次
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症とは加齢に伴い関節が劣化し、膝関節の間が狭くなった状態のことを言います。
加齢以外にも肥満・遺伝・姿勢やゆがみが関与しており、人それぞれこれらの要因が複雑に絡み合って、変形性膝関節症になります。
姿勢の特徴
変形性膝関節症の方に多い姿勢は
- 猫背
- 股関節が曲がる
- 大腿骨が外に開き回転する
- 外に回転した大腿骨より、スネはさら外に回転する
- 膝が曲がる
- 土踏まずを潰す
正常な状態だと膝は真っ直ぐのため、きちんと足に乗れて負担が分散されますが、この姿勢になると膝は「くの字」に曲がってしまうため、折れ曲がったところにストレスがかかります。
原因
膝関節は太ももの大腿骨とスネの脛骨から構成される関節です。
そして膝の前にはお皿の膝蓋骨、スネの外側に腓骨と呼ばれる細長い骨があり、これらも膝関節の動きに大きく関わってきます。
膝にはこれら4つの骨が密集しているため、互いに接触すると摩擦が生じ、骨の摩耗に繋がってしまいます。
ですが、それを膝の軟骨が防いでくれるため、スムーズに関節を動かすことができます。
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることにより慢性炎症や変形が生じ、膝に痛みが現れる疾患と言われています。
軟骨がすり減るから痛むわけではない
インターネットや本などにも「変形性膝関節症による膝の痛みは軟骨がすり減ることが原因」と書かれてます。そのため一応「原因」の段落に同じことを書いておきました。
そして変形性膝関節症の方からは必ずといっていいほど「軟骨がすり減っているから膝が痛むとお医者さんから言われたんですが…」と相談をされます。
このように膝にストレスがかかり軟骨がすり減るから痛むという情報が流れ、そう思われている方が多いのですが、そもそも軟骨には神経がありません。
その下の骨にも神経はありません。神経が無ければ痛みを感じる事はありません。
ではどこが痛むのかというと、関節を包んでいる関節包(かんせつほう)・靭帯・筋や腱がストレスを受けて痛みを感じています。
そのため、たとえ軟骨がすり減っていようと、関節包・靭帯・筋や腱にストレスがかからないように姿勢やゆがみを修正すれば痛みが緩和する可能性があるわけです。
リハビリ方法
正常な状態である
- 背骨・骨盤は真っ直ぐ
- 股関節は伸びる
- 大腿骨は内に入り回転する
- スネも内に回転する(大腿骨よりは外にある)
- 膝が伸びる
- 足裏のアーチがある
この姿勢になれるようにリハビリをおこないます。
体幹と下肢のクロスポイント
クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。
変形性膝関節症の人は、インナーマッスルの機能が低下していることが原因で、姿勢が崩れゆがみが生じ、関節包・靭帯・筋や腱にストレスをかけています。体幹と下肢のクロスポイントにある筋肉は、姿勢やゆがみを修正し正常な位置に戻してくれます。
体幹のクロスポイント
みぞおち/背中・股関節/お尻
- 背骨・骨盤を真っ直ぐにする大腰筋・腸骨筋。
- 股関節を真っ直ぐにし、安定させる大腰筋・腸骨筋・ハムストリングスの坐骨付近。
- 大腿骨を内に入れる大内転筋。
下肢のクロスポイント
膝裏上
- 膝を安定させるハムストリングスの膝付近。
アキレス腱
- 膝を曲げる筋肉をゆるめ、足裏のアーチをつくる後脛骨筋。
足裏
- 足裏のアーチを作る後脛骨筋と長腓骨筋。
膝裏
- 膝を曲げる筋肉をゆるめ、ハムストリングスと後脛骨筋を繋ぐ膝窩筋。
詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画をご確認ください。
足裏のアーチを作る
足裏のアーチを再形成します。
- 足を腰幅に開く。
- 足裏のクロスポイントをくぼませるように、足裏を巻き込む。これを5〜10回繰り返す。
スネの内回転 → 膝を曲げる
スネが過度に外にズレているため、内に戻します。
- 膝を立てて、外を手で抑える。
- 膝が内に入らないように抑えた手を押し返しながらスネを内に回転させる。
- 内に回転させる感覚がわかったら、スネを内に入れ、踵を地面に押し付けたまま膝を曲げる。この時、ハムストリングスの内側である半腱様筋・半膜様筋を意識する。
詳細なやり方はLINE@登録者限定動画をご確認ください。
脚を内に転がす
大腿骨が外に開き回転しているので、それを戻します。
- 仰向けに寝転がり片足ずつ10回内に転がす。
足先だけやらず、脚の付け根(股関節)から転がします。
脚上げ
体幹と下肢のクロスポイントで刺激した部位をまとめて使っていきます。特にお尻のクロスポイントの筋肉である大内転筋とハムストリングスを意識しましょう。
- 両脚を内に転がしたままうつ伏せになる。
- 足裏のクロスポイントを丸め込み土踏まずのアーチを作り、お尻のクロスポイントで脚を左右交互に上げていく。
割膝
体幹のクロスポイントの筋肉である大腰筋・腸骨筋・ハムストリング・大内転筋を繋げて機能させます。
- 足を前後に開き、前足は真っ直ぐ、後ろ足は斜め外に向ける。
- 身体を真正面に向け、前の膝を軽く曲げる。
- みぞおちを丸めて身体を前に倒したら、前足の裏もも・内ももを、膝から股関節よりの部分まで、満遍なく叩く。
詳細なやり方はLINE@登録者限定動画をご確認ください。
まとめ
- ひざ痛の8割は変形性膝関節症と言われるくらい多い疾患。
- 軟骨がすり減ることが原因で痛むと言われているが、実際は関節包・靭帯・筋や腱がストレスを受けることによって痛みが出ていることが多い。
- インナーマッスルを機能させることが痛みの緩和に繋がる。
最後に
いかがでしたでしょうか?
概要は専門的な内容なので少し難しかったかと思いますが、ぼんやりと理解していただければ大丈夫です。忘れてしまったらたまに読み返していただければと思います。
ワークは少しボリュームがありますが、できるだけ毎日続けてください。身体を変えるにはそれなりの量が必要なんです。慣れてくれば10分〜15分くらいで終わりますのでコツコツ続けてみてください。