私はパーソナルトレーナーなので、ボディーメイクについてもよく相談をされます。
その中で最も多いのは「どうやったら脚を細くすることができるか」。
特に女性は、脚を出す夏の時期が一番脚の太さが気になりますよね。
脚が太くなってしまう原因は太ももの大腿四頭筋や、ふくらはぎの下腿三頭筋に余計な力が入り筋肉が肥大してしまっていることが考えられます。
そのため、脚を細くするにはこれらの筋肉に負担をかけないようにすることが必要です。
ではどうやったら、大腿四頭筋や下腿三頭筋に負担をかけないようにする事ができるのか?
それは骨で立つことです。
目次
骨で立つことで得られるメリット
骨で立つことができると、体重を骨で支えて、効率よく筋肉を使うことができるようになります。
効率よく筋肉を使えれば、筋肥大を抑えて脚を細くするだけでなく、血液やリンパの流れも良くなるため、全身に良い影響を与えることができます。
このように、骨で立てるだけで素晴らしいメリットを得ることができるわけですが、ここでポイントになるのが脛骨で立てるかどうかです。
骨で立つ=脛骨で立つ
骨で立つとは、つまり脛骨で立つことです。
下腿には脛骨と腓骨の2つの骨があり、脛骨は腓骨の4~5倍ほどの太さがあるので、この骨で立てれば脚を細くすることができます。
こう言うと簡単そうに聞こえますが、実はこれがなかなか難しいんです。
なぜなら、脛骨で立つには腓骨の位置がものすごく重要になってくるからです。
骨で立つには、腓骨が鍵を握る
腓骨には、足裏のアーチを形成するなど足部機能に重要な筋肉が付着しているんですが、多くの筋肉が付着している分筋肉の影響を受けやすく、腓骨はズレを起こしやすいです。
ズレ方の中でも特に多いのは下方へのズレ。
立ち方や歩き方など身体の使い方に何かしらの癖があると、腓骨に関係する足部の筋肉が拘縮して、腓骨は下方にズレて腓骨荷重(外体重)になってしまいます。
腓骨荷重になっても、そのまま腓骨で身体を支えられれば良いのですが、腓骨は細く体重を支える強度がないため、それを補うため自ずと筋肉に頼って体重を支えることになります。
これが影響して脚全体が筋肥大して太くなってしまうため、脛骨で立つには前提として腓骨が正しい位置に収まってなければなりません。
意識的に脛骨に乗ろうとしてもダメ
脛骨に乗れば良いと思って、意識的に内体重にしても、ほとんどの場合はうまくいきません。
それは意識的に内体重にすると、内転筋群が必要以上に機能してしまい、脛骨よりもっと内側に荷重しようとしてしまうからです。
このように脛骨に乗ることは簡単そうに見えてかなり難しいことなのです。
脛骨で立つために必要な2つのこと
一朝一夕で脛骨に立てるようにはなりませんが、時間をかければきちんと立てるようになる方法はあります。
その方法は2つあり、1つ目はインナーマッスルの機能を高めること。もう1つは脛骨の真下に刺激を入れることです。
インナーマッスルを機能させる
腓骨荷重になると外側縦アーチが潰れて、脛骨より内側に荷重すると内側縦アーチ(土踏まず)が潰れてしまいます。
この状態を改善してくれるのが、下腿から足部にかけて付着する長腓骨筋と後脛骨筋です。
長腓骨筋は外側縦アーチを形成し、後脛骨筋は内側縦アーチを形成するため、この2つの筋肉が機能すると脛骨で立つことができます。
脛骨の真下に刺激を入れる
人間の身体には体性感覚というものがあり、身体の一部に継続的に刺激を入れると、刺激が入ったその部位に感覚ができます。
これを利用するために脛骨の真下に継続的に刺激を入れると、そこに感覚ができ、立った時に脛骨に乗ることができます。
脛骨で立てるようにするためのワーク
Before
脛骨で立つことができるとバランス能力も上がります。
そのため、ワークの効果を体感するために、片足バランスをして今の状態を確認してください。
足裏のクロスポイントの位置を覚える
クロスポイントとは、インナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。
足裏のクロスポイントは指を除いた足裏の真ん中にあり、長腓骨筋と後脛骨筋が付着しています。
この後ご紹介するワークで、足裏のクロスポイントを使用するので、まずはこの位置を覚えてください。
内側縦アーチをつくる
内くるぶしの前下方あたりに出っ張っている骨(舟状骨)があります。
この骨を上に押しながら、反対の手で足裏のクロスポイントを押し、グーパーを10回おこないます。
外側縦アーチをつくる
小指の骨を踵に向かって辿っていくと、真ん中あたりに出っ張った骨があります。
その骨の後ろにくぼみがあり、そこにある骨(立方骨)を上にあげながら、反対の手で足裏のクロスポイントを押し、グーパーを10回おこないます。
内側・外側アーチ形成方法の詳細はLINE@登録者限定動画でご確認ください。
脛骨の真下を叩く
内くるぶしの真下にある踵を脛骨に響かせるように叩いていきます。
After
では再度片足バランスをしてみてください。
いかがでしょうか?先ほどよりフラつきが減り、バランスが取れるようになっていると思います。
ただこれは一時的なものなので、脚が細くなるまでにはこれらのワークを毎日コツコツ続けることが必要です。
運動と並行しておこなうと更に効果的なので、お悩みの方はぜひ継続的に実施してください。
まとめ
- 骨で立つとは脛骨で立つことが。
- 脛骨で立つには腓骨が正しい位置になくてはならない。
- 脛骨で立とうと思って意識的に内側に体重をかけても、脛骨で立つことはできない。
- 脛骨で立てるようになるには、インナーマッスルを機能させ、脛骨の真下に感覚を作ること。