慢性腰痛の原因の一つに反り腰がよくあげられます。
「壁に背をつけて腰に手がすっぽりハマれば反り腰タイプで、これが腰痛の原因です。」
みたいな感じで。
でも反り腰100人中100人が腰痛になるわけではありません。反り腰でも腰痛にならない人もいます。現に私の妻の家系は私が見る限りほとんど反り腰ですが、誰一人として慢性腰痛ではありません。
この差は一体なんなのか。そしてどのようにしたら反り腰でも腰痛にならないのか。
目次
筋バランスの違い
筋肉は大きく2種類に分けられます。インナーマッスルとアウターマッスルです。
インナーマッスルとアウターマッスルの特徴は以下の通りです。
- インナーマッスルとは身体の奥深くにある筋肉のこと。この筋肉は持久力に富み、姿勢を保持したり、関節を安定させ滑らかな動きを作る機能をもつ。
- アウターマッスルとは身体の表面上にある筋肉のこと。この筋肉は力に富んでいるため、歩くや走る、物を持つなど大きな力を発揮するときに機能する。
反り腰になると胸やみぞおちが前方に突き出し、重心位置がつま先寄りになるため、みぞおちや腰、ももの表やスネの筋肉などのアウターマッスルが固まり、腰痛を引き起こしやすくなります。
ですが、反り腰でも腰痛にならない人は、うまい具合にインナーマッスルを機能させてバランスをとっています。
例えば、反り腰で腰痛の人の筋バランスの割合が
9:1
に対して、
反り腰で腰痛にならない人の筋バランスの割合が
7:3
だったりします。
前者は負荷の9割をアウターマッスルで支えるのに対して、後者は負荷の7割をアウターマッスルで支えます。
その差、2割の違いが腰痛になるかならないかに関係してくるわけです。
反り腰で腰痛になる人が固まる筋肉
反り腰になると胸やみぞおちを張る姿勢になるため腹直筋が固まり、腹直筋が固まると繋がりのある大腿四頭筋や前脛骨筋が固まります。
これらの筋肉は全て前面にあるため、固まると重心位置が前方に移動し、結果として腰を反ることで脊柱起立筋を固め腰痛を引き起こします。
反り腰で腰痛にならない人が機能させている筋肉
反り腰で上記にあげたアウターマッスルが優位になりやすくなっても、それに見合ったインナーマッスルの機能があれば腰痛になる可能性は格段に下げることができます。
そのインナーマッスルとは大腰筋・横隔膜・内転筋群・ハムストリングス・膝窩筋・後脛骨筋・長腓骨筋です。
反り腰でも腰痛にならないようにする
腰痛にならないようにするにはアウターマッスルをゆるめて、インナーマッスルの機能を高めることが必要です。
固まっている筋肉をゆるめる
みぞおちと背中を膨らます呼吸
みぞおちと反対側の背中を膨らますことで腹直筋と脊柱起立筋を緩めることができます。
- 床か椅子に座る。
- へそから指4本上のみぞおちと反対側の背中を触る。
- みぞおちと反対側の背中を膨らますように呼吸を10回おこなう。
大腿四頭筋ストレッチ
※左大腿四頭筋ストレッチの手順
- 右足前、左足後ろで足を前後に開く。
- 左骨盤に手を当て、前にスライドさせる。これで大腿四頭筋の股関節付近を伸ばす。これで20秒キープ。
- そのから左膝を曲げて足首を持ち、大腿四頭筋全体を伸ばす。この時不安定になりやすいので、ふらつく場合は壁を触っておく。これで20秒キープ
機能してない筋肉の機能を高める
体幹と下肢のクロスポイント
クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。体幹と下肢にあるクロスポイントで機能が高まるインナーマッスルは以下の通り。
- みぞおち/背中 → 横隔膜・大腰筋
- 股関節/お尻 → 大腰筋、ハムストリングス・大内転筋
- 膝裏上 → ハムストリングス
- 膝裏 → 膝窩筋
- アキレス腱 → 後脛骨筋
- 足裏 → 後脛骨筋・長腓骨筋
割膝
上記のクロスポイントワークで刺激した筋肉を繋げて機能させます。
- 足を前後に開き、骨盤は前、後ろのつま先は斜め前に向ける。
- 前足の膝を軽く曲げ、みぞおち(へそから指4本上)の力を抜き、丸めていく。
その状態で内転筋群とハムストリングスを叩く。
四股立ち
割膝は縦の動き。四股立ちは横の動きでインナーマッスルの機能を高めていきます。
- 脚を肩幅の2倍に広げ、つま先をハノ字にする。この時みぞおちは丸め、お尻の穴を真下に向けておく。
- その体勢のまま軽く股関節を曲げお尻を下に落とす。
- その状態で内転筋群やハムストリングスを叩く。
割膝・四股立ちの詳細はLINE@登録者限定動画でご確認ください。
まとめ
- 反り腰で腰痛になる人とならない人の違いは、インナーマッスルが機能しているかどうか。
- インナーマッスルが機能して入れば、姿勢を無理なく支えられるため、腰痛になるリスクが下がる。
- 固まってるアウターマッスルをゆるめて、機能低下しているインナーマッスルの機能を高めることで、腰痛を予防・改善することができる。
最後に
ワークの量が少し多いですが、お悩みの方は「固まってる筋肉をゆるめる」ワークと、「機能してない筋肉の機能を高める」ワークを日を分けるなどして実践してみてください。