パーソナルトレーナーを約10年はやっているので、過去から現在まで、何百人という方達の運動指導をしてきました。
そして、それより前はスポーツクラブでアルバイトや社員もやってたので、そこを含めたら、もしかしたら1000人は超えてるかもしれません。
そんな多くの方達の健康に携わってきたわけですが、その中で「あ、この人動けそうだなー」という感じと、「この人は動けなさそうだなー」という感じが、見ただけで何となくわかってきました。
そこで今回は動ける人と動けない人の違いについてお話します。
目次
違い①:姿勢
まずぱっと見の姿勢が明らかに違います。動けない人は姿勢が悪いです。多少の猫背や反り腰はそんなに問題ありませんが、これがあまりにも強いとやはりスムーズに動けません。動けたとしてもケガをしやすい傾向にあります。
例えば運動の基本である「走り」でみると、猫背の人は上半身が後ろにあり、そのまま重心位置も後ろに下がっているため、スムーズに前へ行くことができません。前に行こうとすると下半身が先行し、後から上半身がついてくる形になるので、下半身は膝でブレーキをかけながら上半身が来るのを待つことになります。
そして反り腰の人は上半身が先行するため身体が前のめりになりすぎて、後から下半身がついてくるような形になります。そのため転ばないように、こちらも動かし方は違えど、猫背と同じように膝でブレーキをかけることになります。
これではどちらも「走り」はうまくいかないですよね。ただ、どちらかといえば反り腰の方が重心が前に傾いてるため、比較的走るのは速いです。ですが膝でブレーキをかけながらの走りにるため、身体には必要以上に負担がかかりケガをしやすくなります。
違い②:固さ
ストレッチ等の柔軟性も多少は関係してきますが、ここでお話する固さは筋肉の弾力性の話です。
つまり弾力のある筋肉なのか、それともカチカチに固まった筋肉なのかの違いです。これはもちろん前者の方が動けますよね。
人間の関節は約260あると言われていて、その関節の動きのほとんどは「表が固まって縮んだ時、裏はゆるんで伸びる」「裏が固まって縮んだ時、表はゆるんで伸びる」となっていて、この表裏の関係がうまくいってるから関節が滑らかに動くわけです。
ですがカチカチに固まった筋肉の持ち主は表も裏もカチカチに固まっています。先程お話したように関節は「表が固まって縮むから、裏はゆるんで伸びる」ので、両方とも固まってしまうと関節が動かなくなってしまいます。
まぁ実際は完全に動かなくなるわけではないんですが、弾力のある筋肉の持ち主よりは動かなくなりますよね。
不良姿勢や固さの原因は?
実はこの2つの原因は一緒。それはインナーマッスルが機能していないことです。
インナー上記の記事にも書いてある通り、身体が固い人はインナーマッスルとアウターマッスルのバランスが悪く、両方とも固まっているため関節を滑らかに動かすことができません。走れる人と走るのが苦手な人。跳べる人と跳ぶのが苦手な人。など動ける人と動けない人には明確な違いがある。
それはインナーマッスルと、インナーマッスルと関係の深いアウターマッスルがきちん機能しているかどうか。
— 柴 雅仁@治療家パーソナルトレーナー (@PT_shiba) May 10, 2018
そしてインナーマッスルは関節を支え、姿勢を保持する機能もあるため、猫背のような丸まった姿勢では腹直筋(ふくちょくきん)や大腿四頭筋(だいたいしとうしん)、反り腰のような剃った姿勢は脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や広背筋(こうはいきん)、大殿筋(だいでんきん)などのアウターマッスルが優位になり、綺麗な姿勢を保持できなくなります。
インナーマッスルを優位にして動ける身体を作る
クロスポイント
身体は全身を使って動かします。そのためクロスポイントワークも14ヶ所全部行う必要があります。ただ、やはり量が多いので、時間がないときなんかは主要なわき・みぞおち/背中・股関節/お尻だけはやっておきましょう。詳細は下記の記事をご確認ください。
LINE@登録者はこちら。足を閉じながら内転筋・ハムストリングス叩き
クロスポイントでお話した主要なクロスポイントである「みぞおち/背中・股関節/お尻」は大腰筋(だいようきん)・内転筋・ハムストリングスを刺激しています。
この種目で、これらの筋肉にさらに刺激をいれていきましょう。
- 足を肩幅の2倍に広げ、つま先をハの字にする。
- 股関節を引いてお尻を下に落とした状態で、内ももと裏ももを叩く。この時、膝に力が入らないように注意する。
- つま先を前に向け、同じように叩く。
- これを足を完全に閉じるまでおこなう。
立甲ワーク
立甲でクロスポイントのもう一つの主要部位である「わき」に対応する筋肉、前鋸筋に更なる刺激をいれます。ただ、立甲はかなり難易度が高いので下記の記事に書いてある、立甲ができるまでの練習方法を順を追ってできるところまでやってください。
最後に
動ける身体とはスポーツ選手だけに必要なわけではありません。日常生活をより快適に、そしてどこも痛めることなく楽しく生活するために、私達のような一般人にも必要なものなのです。今回ご紹介したワークの中には少し難しい種目もあるとは思いますが、それは無理にやらなくて大丈夫なので、できることから実践していきましょう。