「開脚ができるようになりたくてストレッチをしているけど、なかなか柔らかくならない…」と相談をされることがあります。
もちろんそれなりに量をやらないと柔らかくなりませんが、量だけやっても質が悪ければ結局効果はほとんどありません。
ではどの様にしたら身体を柔らかくして、開脚ができるようになるのか?
本日は開脚ができない人の特徴と、その改善方法、開脚ができるまでの練習方法についてお話します。
目次
開脚ができない人の特徴
特徴は大きく分けて2つあります。1つは股関節の詰まり。もう1つは内ももの痛みです。
股関節が詰まる理由①
股関節を曲げる筋肉は大腰筋・腸骨筋・大腿直筋と3つあり、その中で特に股関節の詰まりと関係が深いのは大腿直筋です。
大腿直筋は股関節のすぐ上にある下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく)に付着しています。 股関節に詰まりがない人はインナーマッスルである大腰筋をメインに、腸骨筋・大腿直筋をバランスよく機能させて脚を上げるんですが、股関節に詰まりがある人は大腿直筋をメインに機能させてしまいます。
大腿直筋は股関節のすぐ上に付着しているという事もあり、使い過ぎると下前腸骨棘付近の大腿直筋が盛り上がってしまい、それが股関節を詰まらせます。
大腿直筋が原因で詰まりを起こす人は、股関節の外側辺りに詰まりを感じやすいです。
股関節が詰まる理由②
股関節を閉じる筋肉に内転筋群と呼ばれる内ももの筋肉があります。
内転筋群は股関節の隣と非常に近いところに付着しており、股関節を曲げる時に補助的に機能する筋肉です。 内転筋群は大腰筋や腸骨筋とつながりがあるので、大腰筋が機能すれば股関節をスムーズに動かす筋肉になるんですが、大腿直筋がメインに働き大腰筋の機能が落ちると、大腰筋は固まり、その固さが内転筋群にも伝わります。
すると股関節を曲げた時、必要以上に脚を内側に引きつけてしまい、股関節に詰まりを起こします。
内転筋郡が原因で詰まりを起こす人は、股関節の内側、恥骨の隣辺りに詰まりを感じやすいです。
内ももが痛む理由①
関節が滑らかに動くには表や裏、内や外などの筋肉のバランスが重要になります。
例えば肘。肘を曲げる時にメインで働き、縮みながら力発揮をするのが、力こぶの筋肉である上腕二頭筋。そしてその動きをコントロールするために伸びながら力発揮をしているのが腕の裏の筋肉である上腕三頭筋です。 この2つの筋肉がバランスよく機能することにより、肘を曲げる時に関節が痛まないよう滑らかな動きができるようになります。
股関節もこれと同じで、開脚の時、お尻の大殿筋や中殿筋と外ももの大腿筋膜張筋/腸脛靭帯は縮みながら力発揮をし、内ももの内転筋群はそれをコントロールする形で伸びながら力発揮をします。
開脚の時内ももが痛まない人はこれがきちんとできています。ですが、内ももが痛む人は内ももが普段機能していないため固まっていて、開脚時固まったまま伸ばされるため、内ももに異常なストレスがかかり痛みを感じます。
内転筋郡が原因で痛みが出る人は、内ももの付け根、恥骨の下辺りに痛みを感じやすいです。
内ももが痛む理由②
開脚時に伸びるのは、内転筋群ともう一つあります。それは裏ももの内側の内側ハムストリングスです。
ここも痛みが出やすい筋肉で、特に内股になりやすい女性に多いです。
その理由は、内側ハムストリングスは大腿骨に対してスネの骨を内側に回転させる筋肉なんですが、内股になるとスネの骨が外に回転してしまい、内側ハムストリングスが異常に伸びてしまいます。
その状態で開脚をすると、内側ハムストリングスに負担をかけ、痛みを感じることがあります。
内側ハムストリングスが原因で痛みが出る人は、内も、膝上の内側辺りに痛みを感じやすいです。
開脚をできる様にする
開脚時に機能させたい筋肉は大腰筋・腸骨筋・内転筋群・内側ハムストリングスです。この筋肉を機能させるために下記のワークをおこないましょう。
下腿内旋運動
スネを内側に回転させ、内側ハムストリングスを機能させます。
- 座ったまま膝を立てて、膝の外側に手を当てる。
- その手を外に押し返したままスネを内側に回転させる。
- 内側に回転させる感覚がわかってきたら、スネを内側に回転させたまま踵を地面に押し付ける。
- 踵を地面に押し付けると内側ハムストリングスに力が入るので、それを感じ取れたら内側ハムストリングスを叩く。
詳細なやり方はLINE@登録者限定動画をご確認ください。
体幹クロスポイント
クロスポイントはインナーマッスルを活性化させるツボみたいなもの。体幹にあるみぞおち/背中のクロスポイントは大腰筋の機能を高め、股関節/お尻のクロスポイントは大腰筋・腸骨筋・内転筋群・内側ハムストリングスの機能を高めます。
詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画をご確認ください。四股立ち
「体幹のクロスポイント」で刺激した筋肉を「四股立ち」で繋げて使えるようにします。
- 足を肩幅の2倍に広げ、つま先を斜めに向ける。
- 骨盤立て、みぞおちを丸める。
- その状態のまま股関節を引いてお尻を下に落とし、内ももと裏ももを叩く。
詳細なやり方はLINE@登録者限定動画をご確認ください。
開脚ストレッチの練習方法
股関節の詰まり感や内ももの痛みが緩和されてきたら実際に開脚ストレッチをおこないます。 下記でご紹介する練習方法は全て開脚の体勢になるので、キツイ方を壁を背にしておこなってください。
背骨・骨盤・股関節をゆるめる
開脚のまま脚を転がし、骨盤を動かし、背骨を動かして体幹から股関節周りをゆるめていきます。 力が抜けるのが感じ取れるまでおこなっていきましょう。
膝をゆるめる
膝の力を抜くように膝をパタパタと曲げ伸ばしをします。伸ばす方は力を入れたくないので、伸ばすのではなく曲げた膝を地面に落とすイメージでおこなっていきましょう。
体幹のクロスポイントを使って身体を前に倒す
みぞおちのクロスポイント辺りの力を抜きながら丸めていき、股関節のクロスポイントを曲げて身体を前に倒す。
ある程度倒して内ももに痛みが出てきたら、そこで再度「背骨・骨盤・股関節をゆるめる」「膝をゆるめる」をおこない、痛みを緩和させる。
まとめ
- 開脚ができない人の特徴は、股関節の詰まりと内ももの痛み。
- この2つを改善するには大腰筋・腸骨筋・内転筋群・内側ハムストリングスの機能を高めることが必要。
- 開脚に特に関係する背骨・骨盤・股関節・膝をゆるめながらおこなうと、開脚がしやすくなる。
最後に
冒頭でもお伝えしましたが、開脚ができるようになるにはある程度練習が必要です。なので、ここに書いてある内容を根気よく続けていただければと思うのですが、それでもなかなかうまくいかない場合があります。
その時は股関節を柔らかく機能させるための方法を読むことをオススメします。この記事にはブログには書いてない開脚ができるようになるためワークや解説動画を載せてあります。
開脚ができるようになり、
- 腰痛や膝痛を予防・改善したい
- 身体を柔らかくしたい
- 日常の動きをもっと楽にして快適にしたい
- 股関節を柔らかくして、スポーツのパフォーマンスを上げたい
と本気でお考えの方は、ぜひ読んでみてください。