長時間の立ち仕事や歩くことでふくらはぎが張ってしまうことがあります。
実はこの原因は、股関節の働きが関係しています。
股関節の働きが悪い人ほど、ふくらはぎが張ってしまうのです。
それは一体何故なのか?
本日はふくらはぎと股関節の関係についてお話します。
目次
ふくらはぎが張ってしまう人の特徴
ふくらはぎが張ってしまう人は、背中が丸まっている、いわゆる猫背の人が多いです。
猫背になると膝が曲がるため、その影響でふくらはぎの下腿三頭筋が伸びてしまい緊張します。
その状態で長時間立ち続けたり、歩いたりすれば、ふくらはぎには必要以上に負担がかかるため、パンパンに張ってしまいます。
これを解決するためには、股関節の機能を高めることが必要です。
その理由は、股関節の動きを作るある筋肉が、ふくらはぎの張りと関係しているからです。
股関節とふくらはぎの関係
猫背の人は、背骨が丸まり膝が曲がることで、お腹の腹直筋から太ももの大腿四頭筋に力が入り、緊張しています。
この緊張を緩めてくれるのが、股関節を動かす筋肉である大腰筋です。
大腰筋が機能すると、体幹のインナーマッスル全体(横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群など)の機能が高まり、インナーマッスルで姿勢を保持することができるようになるため、アウターマッスルである腹直筋を緩ませることができます。
さらに、大腰筋は裏もものハムストリングスとも深い関係にあるため、大腰筋が機能すれば、ハムストリングスの機能も高まります。
ハムストリングスの機能が高まれば、大腿四頭筋優位だった太ももの筋バランスが整うため、大腿四頭筋を緩ませることができます。
つまりこれを簡単にまとめると、「股関節が機能する(大腰筋の機能が高まる)と、猫背の姿勢が正され、ふくらはぎの負担が軽くなる」ということです。
このように、ふくらはぎの張りと股関節の機能には深い関係にあるのです。
そして、ここからもう一段階股関節の機能を高める方法があります。
それは脇のある筋肉の機能を高めることです。
股関節の機能を高めるには、脇の筋肉を機能させるとさらに効果的
脇には前鋸筋と呼ばれる筋肉があり、この筋肉は大腰筋と繋がりがあります。
前鋸筋は脇腹にある外腹斜筋と、外腹斜筋は同側・対側の内腹斜筋と繋がりがあります。
この内腹斜筋が特に重要で、実は内腹斜筋は恥骨でインナーマッスルの腹横筋と繋がっているのです。
「股関節とふくらはぎの関係」にも書いた通り、腹横筋は体幹のインナーマッスルの一部です。
そのため、前鋸筋が機能すると、
前鋸筋
↓
外腹斜筋
↓
反対側の内腹斜筋
↓
腹横筋
↓
大腰筋を含めた体幹のインナーマッスル全体
と連鎖していくため、前鋸筋が機能すると大腰筋が機能するのです。
以上のような関係があるため、ふくらはぎの張りを和らげるには、大腰筋と前鋸筋の機能を高めることが必要です。
ふくらはぎの張りを和らげるワーク
クロスポイント
クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。
みぞおち/背中、股関節/お尻のクロスポイントで大腰筋。
脇のクロスポイントで前鋸筋の機能を高めていきます。
背骨を動かす
「クロスポイント」で刺激した3部位を繋げて機能させます。
繋げることで、より大腰筋の機能を高めることができるからです。
以下の手順でワークをおこなっていきましょう。
- 肩の下に手首、股関節の下に膝を置き、四つん這いになります。
この時、上肢は脇、体幹はみぞおち、下肢は股関節をぼんやり意識していきましょう。 - その状態で、背骨を丸めたり起こしたりを10回。
慣れてきたら、背骨でCの字を作る横の動きを10回おこないます。
まとめ
- ふくらはぎが張りやすい人は猫背の人が多い。
- 猫背になると、腹直筋や大腿四頭筋が固まる。
- 大腰筋の機能を高めれば姿勢が正され、ふくらはぎの張りも緩和する。
- 前鋸筋の機能を高めると、繋がりから大腰筋の機能も高まるため、さらに効果的。
最後に
ふくらはぎが張った時、ふくらはぎのマッサージやストレッチをすると思います。
もちろんそれも大事なので、おこなっていただいて良いのですが、正直それだけだと、その場しのぎの対処療法にしかなりません。
根本原因は姿勢や身体の使い方にあるので、お悩みの方はマッサージやストレッチと併用して、今回ご紹介したワークをおこない、根本解決の第一歩を踏み出してください。