「達人の筋肉」大腰筋の驚くべきメカニズム【大腰筋を鍛える5つのトレーニング】

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体幹から下肢の優れた動きを作り出す、身体の中で最も重要な筋肉「大腰筋」。

ブログでも頻繁にご紹介しています。本当しつこいくらい登場してますよね。笑

でも、大腰筋はそれくらい重要な筋肉なんです。

本日はそんな「達人の筋肉」とまで呼ばれる大腰筋の、メカニズムと機能を高めるためのワークについてお話します。

大腰筋の基礎解剖学

ワークの時に使っている筋肉の解剖学(筋肉がどこについてて、どのような機能があるか)を知ってるのと知らないのとで、ワークの効果がだいぶ変わってきます。

完璧に覚えなくても、なんとなく知ってるだけで全然違うので、考えすぎずさらっと読んでいってください。

大腰筋は腸腰筋の一部

大腰筋のみ頻繁に登場してますが、実は大腰筋は腸腰筋と呼ばれる筋肉の一部なんです。

腸腰筋は腸骨筋・大腰筋・小腰筋の3つの筋肉で構成されてて、主に股関節を動かす時に機能します。

起始・停止

起始・停止とは筋肉が付着している場所のことを言います。

起始:みぞおちの反対側にある背骨の胸椎12番とその下にある腰椎1〜5番。

停止:大腿骨の内側にある出っ張りの小転子。

主な働き

大腰筋の主な働きは

  • 股関節屈曲
  • 股関節外旋
  • 腰椎側屈・屈曲(諸説あるが、個人的にはこの働きはあると思ってる)
  • 腰椎の安定

大腰筋と繋がりのある筋肉

体幹のインナーマッスルとの関係

体幹のインナーマッスルと呼ばれている横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群。

この3つの筋肉は、腹圧を高めて体幹を安定させる機能があり、大腰筋ととても密接な関係にあります。

横隔膜との繋がり

横隔膜は大腰筋と同じ胸椎12番に付着しているため、直接連結し一緒に機能します。

腹横筋との繋がり

腹横筋は肋骨の裏側で横隔膜と連結しています。そのため、大腰筋が機能すると横隔膜を介して腹横筋も連動します。

骨盤底筋群との繋がり

大腰筋も横隔膜も腹横筋も骨盤底筋群とは直接連結していません。ですが、内臓を介して横隔膜と連動するため、大腰筋とは間接的に繋がっています。

大腰筋とこれら3つの筋肉の繋がりを整理するとこんな感じです。

今度はここから下肢の筋肉との繋がりをお話します。

下肢の筋肉との関係

大腰筋と密接な関係にあるのは内ももの内転筋群と裏もものハムストリングスです。

内転筋群が機能すると軸を真ん中に取りやすくなり、ハムストリングスが機能すると歩行や走行時に地面を蹴りやすくなります。

そして両方とも機能すると下肢の安定に繋がります。

内転筋群との繋がり

大腰筋と内転筋群は股関節付近で繋がりがあり、内転筋群は骨盤底筋群とも繋がりがあります。

ハムストリングスとの繋がり

大腰筋は股関節を曲げる時に機能します。その時に伸びるのがハムストリングスです。つまり大腰筋とハムストリングスは表裏関係にあります。

大腰筋、体幹のインナーマッスルとの繋がりを整理するとこんな感じです。

繋がりの全て

大腰筋と特に関係が深いのはこの5つの筋肉ですが、実はそこからさらに先。頭から足裏までこの繋がりは続いていて、全ての繋がりを総称してディープ・フロント・ライン(以下DFL)と呼びます。

DFLにある筋肉も載せておくので、よくわからない細かい筋肉名が並びますが、これはご興味がある方のみ読んでください。

前部

後脛骨筋/長趾屈筋

膝窩筋/膝関節包

大腰筋/腸骨筋/恥骨筋/腰方形筋

横隔膜後部/横隔膜脚/腱中心

横隔膜前部

胸内筋膜/胸横筋

舌骨下筋/気管前筋膜

舌骨上筋

中部

後脛骨筋/長趾屈筋

膝窩筋/膝関節包

大腰筋/腸骨筋/恥骨筋/腰方形筋

横隔膜後部/横隔膜脚/腱中心

心膜/縦隔/壁側胸膜

椎前筋膜/咽頭縫線/斜角筋/内側斜角筋筋膜

前部と中部は横隔膜の前側を通るか中の臓器を覆う筋膜を通るかで変わってきます。

後部①

後脛骨筋/長趾屈筋

膝窩筋/膝関節包

後筋間中隔/大内転筋/小内転筋

骨盤隔膜筋膜/肛門挙筋/内閉鎖筋筋膜

前仙骨筋膜/前縦靱帯

頸長筋/頭長筋

後部②

前筋間中隔/長内転筋/短内転筋

大腰筋/腸骨筋/恥骨筋/腰方形筋

前仙骨筋膜/前縦靱帯

頸長筋/頭長筋

後部は大腿の筋間中隔を境に、前と後ろに分かれます。

大腰筋からの筋連鎖が起こると

ランニングで想像してみましょう。

まず脚をあげる時に大腰筋が機能します。この時、筋連鎖により体幹のインナーマッスル全てが機能し、体幹が安定。

そして軸足は大腰筋から内転筋群が機能することにより中心軸を取れるようになり、ハムストリングスで地面を蹴ることで素早く前に進むことができます。

これ、想像しただけですごくないですか?

大腰筋が機能するだけで体幹から下肢にかけて筋連鎖がおこり、これだけ優れた動きができるようになります。

大腰筋と大腰筋に関係する筋肉の機能を高める

体幹のクロスポイント

クロスポイントとはインナーマッスルの機能を高めるツボみたいなもの。

体幹のクロスポイントにあるみぞおち/背中、股関節/お尻のクロスポイントは大腰筋、横隔膜、内転筋群、ハムストリングスの機能を高めます。

クロスポイント〝セルフケアの基礎〟

詳細な刺激方法はLINE@登録者限定動画をご確認ください。

クロスポイントの詳細な刺激方法

割膝

上記クロスポイントワークで刺激した大腰筋、横隔膜、内転筋群、ハムストリングスを繋げて機能させます。

  1. 足を前後に開き、骨盤は前、後ろのつま先は斜め前に向ける。
  2. 前足の膝を軽く曲げ、みぞおち(へそから指4本上)の力を抜き、丸めていく。
    その状態で内転筋群とハムストリングスを叩く。

四股立ち

割膝は縦の動き。四股立ちは横の動きで大腰筋・横隔膜・内転筋群・ハムストリングスの機能を高めていきます。

  1. 脚を肩幅の2倍に広げ、つま先をハノ字にする。この時みぞおちは丸め、お尻の穴を真下に向けておく。
  2. その体勢のまま軽く股関節を曲げお尻を下に落とす。
  3. その状態で内転筋群やハムストリングスを叩く。

ワイドスクワット

動きの中で大腰筋、横隔膜、内転筋群、ハムストリングスを機能させます。

  1. 脚を肩幅の2倍に広げ、つま先をハノ字にする。この時みぞおちは丸め、お尻の穴を真下に向けておく。
  2. 上半身はその姿勢を保ったまま股関節を曲げ、お尻を下に落とす。
  3. これを10回おこなう。

割膝・四股立ち・ワイドスクワットの詳細はLINE@登録者限定動画でご確認ください。

股関節と下肢の機能を高めるワーク

まとめ

  • 大腰筋は腸腰筋の一部で、股関節の動きを作り腰椎を安定させる。
  • 体幹のインナーマッスルや下肢の内転筋群・ハムストリングスといった、体幹と下肢の動きを作り安定させる筋肉と繋がっている。
  • その繋がりは頭から足裏まで続いている。

最後に

大腰筋は身体の中の奥深くにあるためとても意識しづらい筋肉です。なのでこれらのワークをおこなっても何も感じないと思います。

ですが正しくワークをおこなえば、確実に強化され、動きや安定感が変わるので、地道にコツコツ続けてください。

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解剖学画像の引用元

ビジブル・ボディの提供による画像

VISIBLE BODY ヒューマン・アナトミー・アトラス
https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas